G01直線補間指令のプログラミング解説と各ブランドのパラメータ差異
Fanuc, Siemens, MitsubishiにおけるG01直線補間指令を解説。modal G-codeトラップの回避方法や、spindle・バイスジョーの干渉を防ぐ安全な段取りノウハウ、および再現性の低下を防ぎ不良品発生をゼロにするパラメータ設定について詳しく解説します。
はじめに
切削ブロックの手前で G01 の指令を失念し、前段の G00 急送りのまま切削工具をワークに突入させてしまうミスは、spindle の大破やバイスジョーの損壊、さらには高価なワークを一瞬にして不良品(scrap part)にする最も致命的な衝突事故の原因となります。G01 は modal なコマンドであるため、一度アクティブになると他のグループ 01 コマンド(G00 など)によってキャンセルされるまで有効であり続けます。この特性の理解が不十分なままプログラミングを行うと、退避時に切削 feedrate のまま tool turret が低速で移動してサイクルタイムを悪化させたり、逆に位置決め後に切削送りへと切り替わらずに突入させたりする modal トラップに陥ります。「このパラメータが未検証のまま量産に入ると、2ロット目から寸法ばらつきが広がり、最終検査で初めて不良が発見される。」という事態は、まさにこうした modal の管理不足や、起動時の挙動を決定するパラメータの検証漏れから発生します。段取り前にX番パラメータを確認することで、このコマンドで最も多い非計画停止を防げる。量産における再現性の低下を防ぎ、不良品発生をゼロにするためには、G01 の正しい挙動理解と、各ブランドの制御パラメータおよび干渉防止の段取りノウハウが不可欠です。
技術概要
| 技術仕様 | 詳細 |
|---|---|
| コマンドコード | G01 (または G1) |
| modal グループ | グループ 01 (modal 動作コマンド) |
| サポート対象ブランド | Fanuc, Siemens, Mitsubishi |
| 主要パラメータ | Parameter 3402 (Fanuc デフォルト状態), MD10704 (Siemens 空運転 (dry run) マスク), Parameter #1193 (Mitsubishi in-position チェック) |
| 主な制約 | 最初の G01 動作ブロックよりも前、またはそのブロック内で、ゼロ以外の有効な feedrate (Fアドレス) を定義する必要があります。 |
クイックリード
- feedrate の要件: Fanuc PS0011、Siemens 14800、または Mitsubishi P62 などの即時のシステムアラームを回避するために、最初の G01 動作ブロックよりも前、またはそのブロック内でゼロ以外の feedrate(Fアドレス)をプログラムします。
- modal G-code の認識: G01 はグループ 01 の別のコード(G00 など)によってキャンセルされるまでアクティブなままになるため、動作コードを省略すると低速の這うような退避動作や急送りによる突入クラッシュを引き起こす可能性があることに注意してください。
- 安全な退避方法: 工具がワーク端面を直接通過するのを防ぐために、絶対座標ではなくインクリメンタル座標(G91 G28 Z0 または G28 U0 W0 など)を使用します。
- 空運転の検証: 空運転 (DRY) スイッチがアクティブな状態でワークを切削しないでください。切削 feedrate が高速な手動送り速度で override され、刃具の破損や scrap part につながります。
- 旋盤の寸法指定選択: Fanuc旋盤では、G90 を使用すると絶対寸法指定の設定ではなく canned 旋削 cycle がトリガーされるため、絶対座標アドレス(X/Z)またはインクリメンタル座標アドレス(U/W)を直接プログラミングします。
- 輪郭 cycle の制約: システムの実行停止を防ぐために、canned 旋削 cycle(G71 または G72 など)の最初の輪郭ブロック(シーケンス番号 P)が G00 または G01 で始まっていることを確認します。
基本概念
直線 interpolation は、直線、輪郭、および 3D 形状を加工するために使用される主要な準備機能です。G01 コマンドが実行されると、制御システムは開始点と目標座標 of 間の最短経路を計算します。その後、複数の軸の動きを同時に同期制御し、Fアドレスで指定された正確な切削 feedrate で工具先端中心が進むように、個々の軸の移動速度を動的に調整します。
この切削動作は modal にアクティブであり、一度 G01 が指令されると、制御装置は後続のすべての座標値を直線切削動作として実行し続けます。この modal 状態は、プログラム内でグループ 01 の別の動作コマンド(急送り用の G00、または円弧 interpolation 用の G02 および G03 など)が宣言されるまで有効のままになります。意図しない工具の動作を防ぐには、これらの modal 状態を適切に管理することが不可欠です。
コマンド構造
直線 interpolation を実行するには、プログラムブロックに G01 コマンド、軸の目標座標、および feedrate を含める必要があります。feedrate 値は、工具が直線経路に沿って移動する速度を決定します。アクティブな送りモードに応じて、G94 の下では毎分送り(mm/min または inch/min)、G95 の下では一回転送り(mm/rev または inch/rev)で feedrate がプログラムされます。
標準的なデカルト座標入力に加えて、一部の制御システムでは極座標プログラミングが可能です。この方法では、あらかじめ定義された極に対する極角と極半径を使用して目標位置を定義します。また、軸が次のブロックに移動する前に位置決めが完了したかを検証するために、カスタムの in-position 幅指定など、特定のブロック固有のオプションを追加することもできます。
; ミーリング構文 (標準デカルト座標) G01 X_ Y_ Z_ F_; 旋盤構文 (Fanuc G-code システムA アブソリュート) G01 X_ Z_ F_
; 旋盤構文 (Fanuc G-code システムA インクリメンタル) G01 U_ W_ F_
; 極座標プログラミング構文 (Siemens ネイティブ) G1 AP=... RP=... F_
| アドレス / パラメータ | 説明 | システムコンテキスト |
|---|---|---|
| X, Y, Z | デカルト運動軸の目標座標。 | 共通 |
| U, W | 旋盤システムにおける X 軸および Z 軸のインクリメンタル座標。 | Fanuc / ISO システムA |
| F | 工具送り経路のプログラムされた feedrate 値。 | 共通 |
| AP | 極補間用に度数法でプログラムされた極角。 | Siemens ネイティブ |
| RP | ミリメートルまたはインチでプログラムされた極半径。 | Siemens ネイティブ |
| ,I | ブロック固有の in-position 幅チェック値。 | Mitsubishi |
ブランド別応用
Fanuc
Fanuc システムでは、機械の起動状態の設定は Parameter No. 3402 Bit 0 によって管理され、リセット時のデフォルトを G00 または G01 に切り替えます。小数点の扱いは Parameter No. 3401 Bit 0 で制御され、電卓型小数点プログラミングを設定します。
G01 の移動は、ミーリングまたはアブソリュート旋削では G01 X_ Y_ Z_ F_ を使用して実行されます。旋盤のインクリメンタルな移動は、G01 U_ W_ F_ を使用して直接プログラムされます。
| 項目タイプ | コード / パラメータ | 説明 / 条件 |
|---|---|---|
| パラメータ | Parameter No. 3402 Bit 0 | 電源投入時のデフォルト状態 G00 (0) または G01 (1) |
| パラメータ | Parameter No. 3401 Bit 0 | 標準整数 (0) または電卓型小数点プログラミング (1) |
| パラメータ | Parameter No. 5145 | 旋削 cycle における非単調輪郭パスの許容公差限界 |
| パラメータ | Parameter No. 5000 Bit 3 | Series 30i 制御における旧 Series 16i/18i/21i の軌道計算方式の復元 (GNI) |
| アラーム | Alarm PS0011 | FEED ZERO (COMMAND) - G01 動作中に feedrate が見つからないかゼロ |
| アラーム | Alarm PS0065 | G00/G01 IS NOT IN THE FIRST BLOCK OF SHAPE PROGRAM - 荒削り cycle ブロック P に G00/G01 がありません |
| アラーム | Alarm PS0034 | ONLY G00/G01 ALLOWED IN STUP/EXT BLK - 補正起動ブロックに非線形移動がプログラムされています |
| バージョン差異 | Series 16i/18i/21i vs. 30i/31i/32i-B Plus | cycle の起動またはキャンセル時における刃先R補正軌道の差異 |
警告: Fanuc の canned 旋削 cycle (G71/G72 など) の最初のブロック (P) で G00 または G01 を省略すると、即座に Alarm PS0065 がトリガーされ、プログラムの実行が停止します。
Siemens
Siemens 制御装置は、マスク動作を決定する MD10704 を使用して空運転速度を管理します。ゼロオフセット抑制は、MD10760 パラメータ設定に従って動作します。
Siemens プログラムは、G1 X_ Y_ Z_ F_ を使用して直線運動をプログラムするか、G110〜G112 で定義された極に対する G1 AP=... RP=... F_ を使用して極座標をプログラムします。
| 項目タイプ | コード / パラメータ | 説明 / 条件 |
|---|---|---|
| パラメータ | MD10704 (DRYRUN_MASK) | 空運転 feedrate 動作の有効化 (設定値 0〜2) |
| パラメータ | MD10760 (G53_TOOLCORR) | G53/G153/SUPA における工具長補正および工具径補正の抑制 (設定値 2〜4) |
| パラメータ | MD22920 ($MC_EXTERN_FIXED_FEEDRATE_F1_ON) | 固定 feedrate F1-F9 キー解釈の有効化 |
| パラメータ | SD42160 ($SC_EXTERN_FIXED_FEEDRATE_F1_F9[]) | F1-F9 キーに対応する feedrate 値の保存 (例: 5000 mm/min) |
| アラーム | Alarm 14800 | プログラムされたパス速度がゼロ以下 (feedrate が欠落しているかゼロ) |
| アラーム | Alarm 61003 | cycle 内にプログラムされた feedrate がありません (呼び出しブロックの feedrate 欠落) |
| アラーム | Alarm 61805 | 絶対値および増分値がプログラムされています (二重座標系衝突) |
| バージョン差異 | SINUMERIK 802D vs. 840D / 840D sl | 逆時間 feedrate G93 (1/min) は SINUMERIK 802D 制御装置ではサポートされていません |
| バージョン差異 | SINUMERIK 802D sl vs. 840D sl | 多刃旋削 G50.2/G51.2 は 840D sl でのみサポートされています |
| バージョン差異 | SINUMERIK 840DE / 840DiE vs. 810DE / 840DE sl | Synchronized Actions Stage 2 および電子ギアは、高度オプションのライセンスが必要です |
警告: G70 または G71 を使用して寸法系を切り替えると、座標の幾何形状のみが再計算されます。アクティブな feedrate スケールは変更されないため、新しい Fアドレスがプログラムされていない場合、極めて高速な送りが発生して工具破損の原因となります。
Mitsubishi
Mitsubishi 制御装置は、パラメータ #1193 を使用して減速動作を評価し、パラメータ #1076 でアブソリュート/インクリメンタルの選択を切り替えます。
Mitsubishi の直線 interpolation は、G01 X_ Y_ Z_ a_ F_ ,I_ を使用します。これにより、ブロック固有の in-position チェックと並行して、追加の軸を駆動できます。
| 項目タイプ | コード / パラメータ | 説明 / 条件 |
|---|---|---|
| パラメータ | Parameter #1193 (inpos) | 減速チェック選択 (0: 指令減速チェック、1: in-position チェック) |
| パラメータ | Parameter #1076 (AbsInc) | アブソリュート/インクリメンタル選択方法 (0: G90/G91基準、1: アドレス基準) |
| パラメータ | Parameter #2002 (clamp) | 任意の軸に対する最大切削 feedrate クランプ値 |
| パラメータ | Parameter #2007 (G1tL) | G1 直線切削送りに対する加減速時定数 |
| アラーム | Program Error P62 | FEEDRATE ZERO / MISSING F COMMAND - アクティブな feedrate がない状態で G01 を実行しました |
| アラーム | Program Error P153 | INTERFERENCE CHECK VECTOR DELETED - G41/G42 中に溝または輪郭が工具半径より狭くなっています |
| バージョン差異 | M80 Series vs. Main Part Systems | G122 によるサブ系統の有効化は、パラメータ #1483 で予約された系統に制限されます |
| バージョン差異 | M80V TypeB controls | 制限モードで G61.4 (スプライン補間) や G122 (サブ系統) などの高度なコマンドを実行すると、エラー (P39, P34) がトリガーされます |
警告: アクティブなオフセットをキャンセルせずに G92.1 などの座標系設定コマンドを実行すると、意図しない座標オフセットが発生し、ストロークリミット超過による衝突のリスクが生じます。
ブランド比較
| 機能 / 特徴 | Fanuc | Siemens | Mitsubishi |
|---|---|---|---|
| 旋盤座標プログラミング | G-code システムA では直接アブソリュート(X/Z)およびインクリメンタル(U/W)アドレスを使用します。G90 は旋削 cycle を開始します。 | 寸法決めのための modal な G90/G91 G-code を使用します。 | Parameter #1076 AbsInc がアドレス基準(1)と G-code 基準(0)の選択を切り替えます。 |
| In-Position / 減速チェック | グローバルなシステムパラメータ(No. 19625 look-ahead など)またはワンショット G-code を介して制御されます。 | G60 (正確な停止チェックモード) または連続パスモード G64/G641 を使用します。 | ローカルなブロック固有のアドレス ,I をサポートし、Parameter #1193 を override してその場で判定幅を設定できます。 |
| 多言語 / モード切り替え | Parameter No. 3401 を介して、標準の G-code システムA、B、またはC を使用します。 | バイリンガル移行コード G290 (Siemens) および G291 (ISO ダイヤレクト) を備えたデュアルコンパイラアーキテクチャ。 | モデルやパラメータに応じて、標準 ISO コードまたは高度な機能 (G122) を実行します。 |
| オーバーラップ / ブロックブレンディング | システム全体の look-ahead および加速制御に依存します。 | 連続パスモード G64/G641 を使用して、減速せずにブロックをブレンディングします。 | 急送りブロックオーバーラップ (G0.5 P1) をサポートし、急送動作を切削 feedrate へスムーズに移行させます。 |
| 荒削り cycle の制約 | 最初の輪郭ブロック (P) に G00 または G01 が厳格に必要であり、省略された場合は Alarm PS0065 が発生します。 | 個別のパラメータ仕様を備えた Siemens サイクル (CYCLE95 など) を利用します。 | モデルの構成に従って cycle を処理します。 |
| ゼロオフセット / フレーム抑制 | 標準的な座標オフセット退避制御 (G53/G28) に依存します。 | 階層的抑制コマンド: G53 (設定可能)、G153 (基本+設定可能)、SUPA (すべてのオフセットとフレーム)。 | G53 および標準の退避オフセットを使用します。 |
技術解析
これらの制御装置の解析から、明確な機能的特性が示されます。Fanuc の旋盤プログラミングは、X/Z がアブソリュート位置を定義し、U/W がインクリメンタル移動を指定する直接的な座標アドレスの配置に依存しています。Fanuc 旋盤で G90 を記述すると、絶対寸法系を設定するのではなく、荒旋削 cycle が呼び出されます。Siemens と Mitsubishi は座標の扱いが異なり、G90/G91 モードに依存してアブソリュート値またはインクリメンタル値を定義します。さらに Mitsubishi は、これら2つの動作を選択するためのパラメータ #1076 を提供しています。
Siemens は、FGROUP コマンドによる独自の動的軸ルーティング機能を備えています。標準的な直線形状に沿ってのみ切削 feedrate を適用する Fanuc や Mitsubishi とは異なり、Siemens では回転軸を含む最大8つの軸をグループ化し、プログラムされた F値がそれらの複合的な接線移動を支配するように設定できます。また Siemens は、座標系とアクティブな工具補正を選択的にバイパスできる階層的なフレーム抑制システム(G53、G153、および SUPA)を実装しています。G290 および G291 を介して選択されるデュアルコンパイラ構造により、Siemens 制御装置はネイティブの Sinumerik サブルーチンを実行しながら、標準の ISO プログラムを解釈することもできます。
プログラム例
Fanuc の例
; Fanuc ミーリングアブソリュート
G90 G01 X150.0 Y100.0 Z-5.0 F300.0;
; Fanuc 旋盤アブソリュート
G01 X40.0 Z-25.0 F0.2;
; Fanuc 旋盤インクリメンタル
G01 U-10.0 W-15.0 F0.15;
空運転: Fanuc 制御での検証では、X150.0、Y100.0、Z-5.0 への 300.0 mm/min の切削送りによるアブソリュートミーリング移動が示されます。旋盤システムA のブロックは、0.2 mm/rev の送りで絶対径 X40.0 および長さ Z-25.0 へ移動し、続いて径方向に -10.0、長さに -15.0 のインクリメンタル移動を 0.15 mm/rev で実行します。
Siemens の例
; Siemens ネイティブデカルト座標ミーリング
G17 G94 G1 X150.0 Y100.0 Z-5.0 F500.0 M3 S1000;
; Siemens ネイティブ極座標ミーリング
G111 X50.0 Y50.0 G17 G1 AP=45.0 RP=100.0 F150.0;
; Siemens ISO ダイヤレクトコンパイラモード切替および移動
G291;
G90 G01 X80.0 W-42.0 F0.3;
空運転: Siemens 制御での検証では、XY平面 (G17) でのネイティブデカルト座標移動が示され、spindle が 1000 RPM で時計回り(M3)に回転しながら、絶対座標 X150.0、Y100.0、Z-5.0 へ 500.0 mm/min で移動します。極座標ブロックは X50.0、Y50.0 に極を定義し、角度 45度(AP)および半径 100.0 mm(RP)への直線 interpolation を 150.0 mm/min で実行します。最後のブロックは、コンパイラモードを ISO ダイヤレクト(G291)に切り替えて、絶対 X80.0 および増分 W-42.0 の位置決めを 0.3 mm/rev で実行します。
Mitsubishi の例
; Mitsubishi アブソリュート直線移動
G90 G01 X50.0 Z20.0 F300.0;
; Mitsubishi in-position チェック付きインクリメンタル移動
G91 G01 X-10.0 Z-5.0 F150.0 ,I1000;
; Mitsubishi ミーリング平面選択
G17 G01 X100.0 Y100.0 F500.0;
空運転: Mitsubishi 制御での検証では、X50.0 および Z20.0 への 300.0 mm/min でのアブソリュート直線運動が示されます。インクリメンタルブロックは、150.0 mm/min で X方向に -10.0、Z方向に -5.0 の相対移動を指令し、ブロック固有のカスタム in-position 幅チェックパラメータ値 1000 (,I1000) を適用します。最後のミーリングブロックは、XY平面 (G17) の軸をアブソリュート X100.0 および Y100.0 へ 500.0 mm/min で駆動します。
エラー解析
| ブランド | アラームコード | トリガー条件 | オペレータに見られる症状 | 根本原因 / 対策 |
|---|---|---|---|---|
| Fanuc | Alarm PS0011 | プログラムされた feedrate が見つからないかゼロに設定されています。 | G01 ブロックのアクティブ化時に「FEED ZERO」というメッセージが表示され、即座に実行が停止します。 | アクティブな G01 ブロックの前または内部で、Fアドレスを使用してゼロ以外の有効な feedrate を定義します。 |
| Fanuc | Alarm PS0065 | 荒削りプロファイルのシーケンスブロックに G00/G01 がありません。 | canned cycle 呼び出しブロックで機械がコンパイル状態のまま停止します。 | 荒削りプロファイル輪郭の開始ブロック (P) に、modal 動作コードとして G00 または G01 を挿入します。 |
| Fanuc | Alarm PS0034 | 補正の起動 / キャンセル中に円弧 interpolation が呼び出されました。 | 「ONLY G00/G01 ALLOWED IN STUP/EXT BLK」と表示され、プログラムの実行が停止します。 | 補正起動(G41/G42)およびキャンセル(G40)ブロックにおける円弧動作コマンドを、G00急送りまたは G01直線動作に変更します。 |
| Siemens | Alarm 14800 | F0 がプログラムされているか、チャネル内に modal なアクティブ feedrate が設定されていません。 | パス速度エラーが発生し、チャネルの実行が停止します。 | アクティブなブロックに正のゼロ以外の feedrate を設定するか、固定 feedrate オプションを有効にします。 |
| Siemens | Alarm 61003 | 標準 cycle の手前の呼び出しブロックにおいて feedrate がありません。 | 加工が開始される直前に、標準 cycle の実行が即座に停止します。 | 標準の穴あけ、ミーリング、または旋削 cycle を実行する前に、modal な feedrate Fアドレスをプログラムします。 |
| Siemens | Alarm 61805 | 同一ブロック内でアブソリュート座標とインクリメンタル座標の両方が指定されています。 | 座標の不一致により cycle の検証実行が停止します。 | 中間座標を検証し、ブロック内で1つの座標系のみを使用してプログラムします。 |
| Mitsubishi | Program Error P62 | 電源投入後、アクティブな feedrate がない状態で G01/G02/G03/G33/G34 が初めて実行されました。 | 「FEEDRATE ZERO / MISSING F COMMAND」というメッセージが表示され、機械が停止します。 | 現在または先行する動作ブロックで、有効な Fアドレスの feedrate 値が指定されていることを確認します。 |
| Mitsubishi | Program Error P153 | 工具補正中に、溝またはプロファイルが工具半径よりも狭くなっています。 | 「INTERFERENCE CHECK VECTOR DELETED」という警告が表示され、工具軌道の処理が停止します。 | プロファイル幅を広げるか、補正値テーブル内の工具半径補正値を調整します。 |
実務応用ノウハウ
ワーククランプ用の chuck やバイスジョー、fixture clamp への工具衝突および spindle の大破は、原点復帰コマンドにおける絶対座標の誤用や、補正キャンセルの手順漏れがもたらす直接的な結果です。特に、Fanuc旋盤において G90 G28 Z0 などの絶対値指令で原点復帰を行うと、刃物台(tool turret)がワーク原点を最短経路で通過しようとし、Z0端面に最高速度で激突します。これを防ぐためには、インクリメンタルな G28 U0 W0(ミーリングでは G91 G28 Z0)を徹底しなければなりません。また、Mitsubishiシステムにおいて、G40(工具径補正キャンセル)および G49(工具長補正キャンセル)を実行せずに座標系設定コマンド(G92.1)を実行すると、意図しない座標シフトが発生し、turret がストロークリミットを越えてクランプ機器に激突します。さらに、単位系の切り替え(G70/G71)時には幾何データのみが再計算され、modal な feedrate(Fアドレス)は変換されないため、極めて高速な切削送りが発生して工具破損(scrap part)に直結します。量産段取り時、空運転(DRY)スイッチを有効にしたまま実加工を行うと、プログラムされた低速な G01 feedrate が手動設定された高速送りで上書きされ、一瞬にして被削材と刃具を破壊します。この再現性の低下や不良品発生を防ぐために、初品加工時には manual feedrate override ダイヤルで速度を絞り、「distance-to-go(残り移動量)」画面を監視しながら加工クリアランスを確認することが極めて重要です。また、Mitsubishiでチャックバリア機能やストアドストロークリミット(Program Error P452)の境界値、Siemensにおける干渉監視(G460/G461)の設定値が正しく機能しているかを事前にテストし、安全電子境界を確立することで、機械の機械的クラッシュを物理的に遮断できます。
関連コマンド
- G00 急送り位置決め指令: modal な G01 直線動作をキャンセルし、最大急送り速度で軸を移動させます。
- G10 パラメータ管理: 座標オフセットやパラメータの書き込みを G-code プログラム内から直接標準化します。
- パラメータ 1851 バックラッシ補正: 直線切削中の方向反転時における物理的なバックラッシを補正するため、機械の軸移動量を微調整します。
- G02 / G03 円弧 interpolation CW/CCW: 直線 interpolation をキャンセルし、円弧軌道で軸を駆動します。
- G60 正確な停止チェックモード: 次の移動を開始する前に、各 G01 パスブロックの終端で制御システムを減速させ、軸の位置を検証します。
おわりに
量産工程における寸法ばらつきを防ぎ、高い繰り返し精度と信頼性を維持するためには、G01 動作時の modal 状態および初期化パラメータの組織的な検証ルール化が最も有効な対策です。単なるプログラミング上の注意にとどまらず、段取り時に各オペレータが Parameter No. 3402 や #1193 inpos などの機械設定値をチェックシートに従って二重確認し、初品加工時には必ずシングルブロック(Single Block)かつ低 feedrate で動作軌道を確認するプロセスを標準化すべきです。これらの検証ステップを日常の段取りルーティンに組み込むことで、再現性の低下による不良品発生を防ぎ、突発的な非計画停止を未然に排除することが可能になります。
よくある質問
量産中に2ロット目から寸法ばらつきが発生し、最終検査で寸法不良が発覚しました。G01の切削送りにおいて再現性の低下を防ぐために検証すべきパラメータは何ですか?
これは主に複数軸の補間完了判定が緩くなっている(または判定が機械的な追従遅れを検知できていない)場合に生じます。Mitsubishiシステムでは Parameter #1193 inpos を 1(インポジションチェック)に設定し、Fanucではサーボの位置決め幅パラメータを設定して、各軸が指令値の公差内に到達したことを確認してから次のブロックに遷移させます。段取り前に現在のインポジション判定幅の設定値を確認し、必要に応じて設定値を絞るアクションを行ってください。
Fanuc制御盤でG01指令を実行した際、アラーム PS0011 (FEED ZERO) が発生してプログラムが停止します。この非計画停止を防ぐプログラム上の根本的な対策は何ですか?
このアラームは、システムの電源投入時またはリセット後に、modal な F指令(feedrate)が未定義のまま G01 が呼び出されたことを示します。Parameter No. 3402 Bit 0 が 1(デフォルト G01)に設定されている場合、起動時に F指令がないまま座標移動が試みられるためアラームとなります。対策として、プログラムのスタートブロックまたは最初の G01 ブロックで必ず非ゼロの F値を宣言し、リセット時には G-code および feedrate のクリア処理を無効にするようパラメータ設定を見直してください。
空運転機能(DRY)スイッチがアクティブな状態でワークを切削してしまい、工具を破損する事故を防ぐための対策はありますか?
空運転(DRY)はプログラムされた G01 feedrate を無視し、手動で設定された高速な送り速度に置き換えるため、実加工での使用は即座に工具破損を引き起こします。Siemensでは MD10704 (DRYRUN_MASK) を使用して、自動運転中の乾燥運転への切り替え動作や容速度レベルをマスク(制限)することが可能です。操作盤の DRY スイッチの誤操作を物理的に防ぐためのロック手順を導入するとともに、プログラム開始時にドライ運転状態を検出するシステム変数を確認するマクロをプログラムヘッダーに追加する対策を実施してください。
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このトピックについて、AIアシスタントに自然言語で質問できます。検証済みの情報源に基づいており、ハルシネーションはありません。

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- Mitsubishi Electric NC Sales & Service Section Manager (2008 - 2025)
- Reis CNC Service Engineer (2003 - 2008)
- Ören Kalıp CNC Mold Line Team Leader (1999 - 2002)
CNC工作機械業界のあらゆる分野で25年以上の経験を持ち、ブランドに依存しないコンサルティング、エンジニアリング、純正部品サービスを提供するCNC CAREの共同創業者として活動を続けています。
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