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G09エグザクトストップ:CNC非モーダル減速制御によるコーナー衝突防止ガイド

G09およびG9非モーダル減速チェック(エグザクトストップ)の使い方を実務者向けに解説。Fanucパラメータ1497、SiemensのMD20734、Mitsubishiのsv024の設定から、PS0368やP45などのアラーム回避、チャック衝突を防ぐ安全バリア設定まで徹底ガイド。

Hakan Gündoğdu
Hakan Gündoğdu

CNC CARE 共同創業者

はじめに

高送りでの輪郭ミーリングや旋削加工において、加減速の切り替えチェックを省略したままパスを実行すると、ツールタレットがコーナー部でオーバーシュートを起こし、テーブル上のバイスジョーや回転するワークチャックに激突する致命的なクラッシュを引き起こします。連続パス(連続切削)モードでは、現在のアクティブな軸移動が物理的に完了する前にコントローラが次のブロックの実行を開始するため、鋭いコーナー部が丸められてしまいます。干渉クリアランスの厳しい治具の近傍では、この経路の丸まりがワークや切削工具の破損を招き、高価な被削材を一瞬にして不良品(スクラップ)に変えてしまいます。このパラメータが未検証のまま量産に入ると、2ロット目から寸法ばらつきが広がり、最終検査で初めて不良が発見されるという深刻な事態に陥ります。段取り前にFanucの1497番パラメータ、SiemensのMD20734、あるいはMitsubishiのsv024パラメータなどを確認することで、このコマンドで最も多い非計画停止を防げます。ワンショット(非モーダル)の減速チェック指令——FanucおよびMitsubishiの「G09」、Siemens의「G9」——は、次のブロックに進む前に軸を完全に減速停止させ、位置決め座標を確認することで、再現性の低下や不良品発生を防ぐ極めて重要な安全対策となります。

技術概要

技術仕様詳細
指令コードG09 (Fanuc, Mitsubishi) / G9 (Siemens)
モーダルグループGroup 00 (Fanuc, Mitsubishi) / Group 11 (Siemens) — 非モーダル (ワンショット)
対応ブランドFanuc, Siemens, Mitsubishi
重要パラメータFanuc: No. 1497 (セグメントしきい値); Siemens: MD20734 (ファンクションマスク); Mitsubishi: sv024 (インポジションチェック幅)
主な制約事項減速チェックが必要な各ブロックに必ずプログラムすること。過度に使用するとサイクルタイムが増加する。

クイックリード

  • 重要コーナーでの使用: 経路の丸まりを防ぐため、サイクルタイムを不必要に増加させることなく、重要な鋭い遷移コーナーにのみG09/G9をプログラムします。
  • インポジション幅の検証: 位置決め公差を管理するために、サーボ位置決めウィンドウ(Fanucパラメータ、Siemens機械データ、またはMitsubishiの#2224 sv024など)を確認および設定します。
  • 固定サイクルのサブプログラムへの挿入: 減速チェックが確実に実行されるように、固定サイクルブロックではなく、サブプログラムの輪郭形状パス内に直接エグザクトストップ(減速チェック)コマンドを記述します。
  • ゼロオフセット退避の管理: SiemensのMD10760のようなツールキャリアパラメータを検証することにより、ゼロオフセット抑止コマンド(G53/SUPA)がツールオフセットを安全にキャンセルすることを確認します。
  • 先読みバッファ枯渇の回避: アクティブなG41/G42下での移動のないブロックの挿入を制限し、Fanucでの過剰切削や刃先R補正の干渉を防ぎます。
  • アクティブな座標変換との競合監視: プログラムのコンパイルエラーを回避するため、MitsubishiのG43.7(工具位置補正)やG68.1(3次元座標変換)などの競合するコードから減速チェックを分離します。

基本概念

高送り速度では、連続パス(連続切削)モードにおいて、現在実行中の座標移動が物理的に完了する前に、各座標軸が次のブロックへ移行することが許容されます。この経路ブレンド(ブレンド動作)により、外角のコーナー部が丸められます。非モーダルのエグザクトストップ(減速チェック)をプログラムすることにより、オペレータはプログラムされたブロックの終端で座標軸を強制的に速度ゼロまで減速させます。この遅延(インポジション待ち)により、物理的な工具位置が目標座標に追従(キャッチアップ)し、ワーク上の輪郭精度が維持されます。

しかし、軸が完全に停止するまで減速する必要があるため、連続するブロックで減速チェックを使用すると、サイクルタイムが大幅に増加します。プログラマーは、G09/G9の適用を重要な遷移コーナーのみに厳格に限定すべきです。軸が停止した際、制御装置は後続のNCブロックを起動する前に、サーボの追従遅れ(ラグ)が指定されたインポジション幅の範囲内に収まっていることを検証し、空間的な精度と機械的なショックのバランスを取ります。

コマンド構造

非モーダルのエグザクトストップコマンドは、減速チェックが必要な特定のブロックで宣言しなければならないワンショット(単一ブロックのみ有効)の命令です。これは、同じブロック内で定義された移動指令(G01直線補間、またはG02やG03円弧補間など)にのみ影響します。ブロック内に移動指令がプログラムされていない場合、このコマンドは減速チェックを実行しません。

プログラムされると、制御装置はブロックの終端で連続パスの実行を一時的にサスペンド(中断)します。システムは、サーボ軸が設定されたインポジション許容値内に到達したことを検証します。この位置決め基準が満たされると、ブロックの切り替えが発生し、後続のNCブロックが起動されます。このブロックごとの制御により、全体のモーダルな切削モードを乱すことなく、局所的な精度管理が可能になります。

構文:

  • Fanuc / Mitsubishi: G09 G01 X_ Y_ Z_ F_ ;
  • Siemens: G9 G01 X_ Y_ Z_ F_ [G601/G602/G603] ;

パラメータ:

ブランドパラメータ説明設定値範囲
FanucParameter No. 1497自動エグザクトストップチェック機能の自動判定を行う、判定セグメント長さのしきい値を設定します。正の整数
FanucParameter No. 5040 Bit 3 (TCT)工具長補正のシフトタイプを制御します。バイナリ (0 または 1)
FanucParameter No. 3401 Bits 7 (GSC) および 6 (GSB)Gコードシステム A、B、C を選択し、グループとモーダル割り当てを決定します。バイナリの組み合わせ (00, 01, 10, または 11)
FanucParameter No. 3402 Bit 6 (CLR)電源投入時またはリセット時に、モーダルGコードをデフォルト of クリア状態にするかどうかを決定します。バイナリ (0 または 1)
Siemens$MC_EXTERN_FUNCTION_MASK (MD20734) Bit 3スキャナーエラーの処理に関する ISO Dialect 翻訳機の動作を制御します。0 (スキャナーエラーでアラーム発生) または 1 (スキャナーエラーをバイパス)
Siemens$MC_EXTERN_FUNCTION_MASK (MD20734) Bit 4早送り (G00) ブロックでの減速チェック(エグザクトストップ)実行を制御します。0 (G64が有効な場合はG00を連続パスで実行) または 1 (G00は常にエグザクトストップを強制)
Siemens$MC_GCODE_RESET_VALUES (MD20150)電源投入時のデフォルトのGグループのリセット状態を定義します。例:G60 (エグザクトストップ) または G64 (連続パスモード)
Mitsubishiサーボパラメータ #2224 sv024切削送りにおける基本的なインポジションチェック幅をミクロン単位で設定します。ミクロン
Mitsubishiパラメータ #2077 G0inps位置決め (G00) 時のインポジションチェック幅をミクロン単位で設定します。ミクロン
Mitsubishiパラメータ #2078 G1inps切削送り (G01) 時のインポジションチェック幅をミクロン単位で設定します。ミクロン
Mitsubishiパラメータ #1148 I_G611電源投入時のデフォルトの高精度制御のモーダル状態を決定します。0 (OFF / G64) または 1 (ON / G61.1)
Mitsubishiパラメータ #1306 InpsTyp減速チェック方法(指令減速、平滑化、またはインポジションチェック)を指定します。減速チェック、平滑化チェック、またはインポジションチェック
Mitsubishiパラメータ #3004 Bit 2G09チェックOFFシステムレジスタ変数。プログラム実行中に動的にチェックを無効化します。0 (アクティブな減速チェックを実行) または 1 (動的に無効化)

ブランド別応用

Fanuc

FanucのG09減速チェックは、連続パスモードを一時的に中断する non-modal なグループ00コマンドです。これは、各軸を完全に速度ゼロまで減速させることで、高速ミーリングや旋削において鋭い外側輪郭を正確に仕上げるために使用されます。

標準的なブロック記述は以下の通りです: G09 G01 X150.0 Y100.0 F200.0 ;

カテゴリ詳細
パラメータParameter No. 1497 (セグメント長さのしきい値)、Parameter No. 5040 Bit 3 (TCT)、Parameter No. 3401、Parameter No. 3402。
アラームAlarm PS0368(オフセットがアクティブな状態でのParameter No. 5040の変更)、Alarm PS0010(不適切なGコードまたは無効なオプション設定)、Alarm PS0306(面取り軸のミスマッチ)、Alarm PS0051(無効な面取り符号)。
バージョンSeries 15プログラムフォーマットとSeries 30i/31i/32i-B Plus(Parameter No. 0001 Bit 1 FCV = 1により解釈が切り替わり、近代的な固定サイクルが無効化されます)。

警告:カッター径補正(G41/G42)がアクティブな状態で移動のないブロック(G04の一時停止やG10のパラメータ入力など)を挿入すると、先読みバッファが枯渇し、軸の移動が停止したり、ワークに過剰に食い込んだり(食い込み不良)する原因となります。プログラマーは、パラメータ設定を変更する前に、必ず工具オフセットをキャンセルしなければなりません。

Siemens

Siemens SINUMERIK制御では、非モーダルのエグザクトストップはグループ11のG9として指定されます。これにより、ブロック境界で正確な位置決めが可能になり、グループ12の位置決めウィンドウを通じて移行挙動を管理できます。

標準的なブロック記述は以下の通りです: G9 G01 X150.0 Y120.0 F500.0 G601 ;

カテゴリ詳細
パラメータ$MC_EXTERN_FUNCTION_MASK (MD20734) Bit 3 および Bit 4、$MC_GCODE_RESET_VALUES (MD20150)。
アラームAlarm 14800(プログラムされたパス速度がゼロ以下)、Alarm 12080(G291 ISOモードでの構文エラー)、Alarm 14060(スキップレベルが範囲外)。
バージョンSINUMERIK 840D sl と 802D sl(グループ20の G51.2 多刃旋削および逆時間送り G93 は 840D sl では完全にサポートされていますが、802D sl では使用できません)。

警告:ゼロオフセット抑止(G53、G153、またはSUPA)を用いて物理的な治具付近で軸を退避させる際、パラメータ MD10760 の設定によっては工具補正が抑止されず、致命的な衝突事故を招く危険があります。また、不要な整定遅延によるサイクルタイムの肥大化を防ぐため、位置決めウィンドウを極端に狭く設定しないようにしてください。

Mitsubishi

Mitsubishi CNCシステムは、軸の送り速度が急激に変化する際の機械的なショックを軽減し、座標位置決め精度を確認するためにG09を実行します。このコマンドは、宣言されたブロック内の切削指令に対してのみ有効です。

標準的なブロック記述は以下の通りです: G09 G01 X100.000 F150 ;

カテゴリ詳細
パラメータServo Parameter #2224 sv024(切削送りチェック幅)、Parameter #2077(G00チェック幅)、Parameter #2078(G01チェック幅)、Variable #3004 Bit 2。
アラームProgram Error P45(工具位置補正 G43.7 アクティブ中のG09指令)、Program Error P923(3次元座標変換 G68.1 アクティブ中のG09指令)、Program Error P33(無効なGコード指令フォーマット)。
バージョンM8シリーズとレガシーシステム(M8シリーズではシーケンス番号Nが最大8桁までサポートされます。M80V TypeBでは、スプライン G05.1 Q2 や傾斜面 G68.2 と組み合わせた場合にG09の使用が制限されます)。

警告:G09を高度な座標変換や補正変更(工具位置補正や座標変換など)と同一ブロック内で組み合わせると、コンパイルエラー(P45、P923、P33)を誘発します。また、同期アラームを防ぐために、アンクランプ用のMコードが減速完了タイミングと正しく合致しているか確認してください。

ブランド比較

項目FanucSiemensMitsubishi
コマンド指定G09 (グループ00 非モーダル減速チェック)G9 (グループ11 非モーダル減速チェック)G09 (グループ00 非モーダル減速チェック)
モーダルな代替案G61 (グループ13 モーダル減速チェックモード)G60 (グループ10 モーダル減速チェックモード)G61 (グループ13 モーダル減速チェックモード)
インポジション判定基準グローバルパラメータによるインポジションチェックグループ12のブロック切り替えコード (G601/G602/G603)パラメータ #2077 (G00) と #2078 (G01) の分割管理
翻訳サポート標準のFanucインタープリタバイリンガル翻訳機 (G290/G291) および MD20734レガシーのFanuc翻訳互換
プログラムによるバイパス— (対応ソースなし)MD20734 Bit 3によるスキャナーエラー回避システムレジスタ #3004 Bit 2 (G09チェックOFF)

技術解析

減速挙動の解析により、Fanuc、Siemens SINUMERIK、およびMitsubishiの各制御装置における構造的な違いが明らかになります。FanucとMitsubishiが減速チェック(エグザクトストップ)を非モーダルのグループ00コマンドとして扱うのに対し、Siemensはモーダルのエグザクトストップ(G60)をグループ10に、非モーダルのエグザクトストップ(G9)をグループ11にそれぞれ分割しています。この分割により、Siemensは独立したグループ12を使用してブロックの移行を管理でき、プログラマーは「微少(ファイン)」位置決め判定(G601)、「粗(コース)」位置決め判定(G602)、または「目標値到達(インターポレーション終了)」(G603)の各判定ウィンドウを選択可能です。対照的に、FanucとMitsubishiは、判定基準の決定をGコードによる選択ではなく、グローバルなパラメータ設定や軸固有のレジスタに依存しています。

また、Mitsubishiはプログラマーが動的に減速チェックをオーバーライド(無効化)することを許容しています。システム変数 #3004 Bit 2を 1 に設定することで、コントローラはプログラム実行中に動的にG09チェックを無視します。これは標準のFanuc構成ではサポートされていない動作です。高速早送りにおいて、MitsubishiはG09を早送りブロックオーバーラップ(G0.5 P1)機能の直接的な解除指令としても統合しており、オーバーラップをキャンセルして一時的に速度ゼロの減速停止を強制します。Siemensは、Fanuc G09プログラムファイルをバイリンガルなG291インタープリタモードを介して処理し、機械データ $MC_EXTERN_FUNCTION_MASK Bit 3を利用して構文スキャナーのエラーをバイパスしてネイティブSiemensへ渡します。一方、Fanucはベクトルの演算エラーを防ぐために、移動指令のない補正ブロックの記述数を厳しく制限する保守的な先読みバッファの思想を維持しています。

プログラム例

Fanucの例

G09 G01 X150.0 Y100.0 F200.0 ;
G09 G02 X80.0 Y40.0 R30.0 F120.0 ;
G09 G01 Z-35.0 F150.0 ;

空運転 (dry run) の説明:

  1. 最初のブロックでは、F200.0 (200.0 mm/min) の送り速度で X150.0 および Y100.0 への直線補間を実行します。G09コマンドにより、座標軸は終端で強制的に速度ゼロまで減速され、次の移動を開始する前に実際の工具位置が目標座標と一致しているか検証されます。
  2. 2番目のブロックでは、X80.0 および Y40.0 の座標へ半径 30.0 mm の時計方向円弧補間を実行します。軸送り速度は円弧の終点境界でゼロまで減速され、位置決め精度が確認されます。
  3. 3番目のブロックでは、Z軸を Z-35.0 まで F150.0 (150.0 mm/min) で切り込ませます。後続の座標移動に移る前に、軸の速度を終端で完全に停止させ、インポジションチェックを実行します。

Siemensの例

G9 G01 X150.0 Y120.0 F500.0 G601 ;
G9 G02 X80.0 Y40.0 CR=30.0 F250.0 G602 ;
G64 ;
G9 G01 Z-25.0 F120.0 ;

空運転の説明:

  1. 最初のブロックは、F500.0 (500.0 mm/min) の送り速度で X150.0 および Y120.0 への直線移動を指令します。G9コマンドが非モーダルのエグザクトストップを起動し、G601設定によって、軸の位置が「微少(ファイン)」位置決めウィンドウに入るまでブロックチェンジが遅延されます。
  2. 2番目のブロックは、半径 30.0 mm の時計方向円弧補間を X80.0 および Y40.0 の座標へ実行します。軸が G602 で設定された「粗(コース)」位置決めウィンドウに入った時点で、ブロックの移行が行われます。
  3. 3番目のブロックは連続パスモード G64 をアクティブにし、後続のブロックが送り速度をスムーズにブレンドできるようにします。
  4. 4番目のブロックは、Z軸の Z-25.0 への切り込みに対して非モーダルの減速チェックを実行し、制御が G64 連続パスモード of ブレンド動作に戻る前に、軸を完全に停止させます。

Mitsubishiの例

G09 G01 X100.000 F150 ;
G09 G02 X50.0 Y50.0 R25.0 F120 ;
G09 G01 Z-50.0 F100 ;

空運転の説明:

  1. 最初のブロックは、F150 (150 mm/min) の送り速度で X100.0 への直線補間を実行します。G09により、X軸は完全に速度ゼロまで減速し、次のブロックに進む前に、座標の遅れが切削送り用インポジション幅パラメータ #2078 の範囲内にあることを検証します。
  2. 2番目のブロックは、半径 25.0 mm の円弧に沿って X50.0 および Y50.0 へ時計方向の円弧補間を実行し、コーナー移行部で減速チェックの条件を確認します。
  3. 3番目のブロックは Z軸を Z-50.0 まで切り込ませ、底面で送り速度をゼロに落として位置決めの確認を行います。

エラー解析

ブランドアラームコードトリガー条件オペレータの症状根本原因 / 対策
FanucAlarm PS0368座標系または工具オフセットがアクティブな状態で、Parameter No. 5040 Bit 3 (TCT) を変更した。CNCシステムに PS0368 が表示され、実行が即座に中断される。工具長補正シフトパラメータを変更する前に、工具補正(G49)をキャンセルする必要があります。
FanucAlarm PS0010無効なGコードのプログラム、あるいは無効化されているソフトウェアオプションの機能を呼び出した。CNCモニタに「IMPROPER G-CODE」と表示され、プログラムのコンパイルが停止する。Gコードの構文を確認し、制御装置で該当のソフトウェアオプション機能が有効であることを確認してください。
SiemensAlarm 14800パス送り速度がゼロ、あるいは F指令が完全に省略された状態で軸移動を指令した。コントローラがNCプログラムの実行を中断し、送り速度ゼロエラーを表示する。アクティブなブロックに有効なゼロ以外の送り速度(F値)を指定するか、固定送り速度機能を有効にしてください。
SiemensAlarm 12080MD20734 Bit 3 が 0 のときに、ISO Dialect モード (G291) でコンパイラが未マッピングの命令を検出した。ISO翻訳プロセスが停止し、構文エラー画面が表示される。未対応のブロック構文を修正するか、MD20734 Bit 3 を 1 に設定してスキャナーエラーをネイティブ翻訳機へバイパスさせてください。
MitsubishiProgram Error P45工具位置補正 G43.7 がモーダルでアクティブなブロックと同一ブロック内で G09 をプログラムした。制御装置がブロック構成を拒否し、Program Error P45 を出力する。同一ブロック内で G43.7 と G09 を混在させないでください。減速チェックの実行前に、オフセットをキャンセルまたは分離してください。
MitsubishiProgram Error P9233次元座標変換 G68.1 がアクティブなブロックと同一ブロック内で G09 を指令した。NCのコンパイルが停止し、座標変換の競合エラー P923 が発生する。G09 を別ブロックにプログラムするか、減速チェックの実行前にアクティブな G68.1 座標回転をキャンセルしてください。

実務応用ノウハウ

カッター径補正(G41/G42)の適用中に、G09減速チェックブロックと同時に移動のないブロック(G04の一時停止やG10のパラメータ入力など)を2つ以上連続して挿入すると、Fanucシステムでは先読みバッファが枯渇し、正確な補正ベクトルの計算に失敗します。これにより、工具がワークに過剰に食い込んで不良品(スクラップ)が発生したり、干渉アラームが作動して非計画停止に追い込まれます。これに伴う致命的な物理衝突を防ぐには、オペレータはHMIパネルの「チャックバリア」および「テールストックバリア」設定画面で電子的な侵入禁止境界を正しく設定する必要があります。もし座標系のシフトミスやプログラムのエラーによってツールタレットがこの禁止領域に侵入した場合、コントローラは直ちに軸移動を停止してストロークリミットアラーム(Alarm PS0452など)を表示し、タレットと回転チャック爪のハード衝突を未然に防ぎます。

また、SiemensのSINUMERIKシステムにおいて、ワークチャックやバイスジョー付近でツールキャリアやタレットを安全に退避させるため、SUPA、G53、またはG153を用いてゼロオフセットを抑止する際、機械データMD10760(G53_TOOLCORR)の設定に細心の注意を払う必要があります。このパラメータが工具長・径補正を維持する設定になっていると、オペレータがオフセットは解除されたと思い込んで退避指令を実行した際に、意図しない傾斜経路を通り、ワークやクランプに激突して製品をスクラップにする大事故につながります。さらに、連続パスモード(G64)の切削中に、メッセージ出力(MSG)やシステム変数の読み込み($A...など)といった前処理ストップ(Preprocessing Stop)を伴う指令を実行すると、先行バッファが遮断され、その前後の動作が暗黙的にG9減速停止と同じ挙動を示します。この急激な減速動作は、高精度な加工面の表面に深いツールマーク(ドウェルマーク)を残し、品質再現性の低下や不良品発生の直接的な原因となります。

Mitsubishiシステムにおいては、C軸のクランプ・アンクランプ制御を伴う穴あけサイクルなどにおいて、軸がG09によって完全に減速停止する前に物理的なクランプ指令(clmp_M)が作動すると、アンクランプ遅延時間(clmp_D)とのミスマッチから同期アラームが発生し、ドリル工具の破断やワークの損傷を招きます。また、Mitsubishi特有のパラメータであるG00用位置決めチェック幅(#2077 G0inps)とG01用切削送りチェック幅(#2078 G1inps)が未設定または不適切な極小値になっていると、サーボの追従遅れが解消されるまでのインポジション判定待ち時間が過剰に長くなり、サイクルタイムが大幅に増大します。量産工程の2ロット目以降で寸法ばらつきによる不良品発生を防ぐためには、段取り前に各パラメータを確認し、制御機器の動作特性に合わせた適切な許容幅を設定することが不可欠です。

関連コマンド

  • G08先行制御:FanucおよびMitsubishiで使用されるモーダルの先行制御コマンド。複数ブロックをバッファに先読みして経路の丸まりを防ぎますが、G09によって局所的にオーバーライドされます。
  • G07.1円筒補間:平面座標を回転円筒軸上にマッピングする標準的な円筒補間コマンド。巻き付けられたプロファイル形状のコーナー遷移点をG09を用いて高精度に保証できます。
  • G07円筒補間(Siemens):Siemens独自の円筒補間コマンド。減速チェック(G9)を使用することで、コーナー遷移中のカットにおいて工具が円筒境界をオーバーシュートするのを防止できます。
  • G61 (減速チェックモード): キャンセルされるまで各ブロックの終端で減速チェックおよび位置決め確認を強制するモーダルの減速チェックコマンド。ワンショットのG09コマンドのモーダル版に相当します。
  • G64 (連続切削モード): モーダルのG61減速チェックを無効化し、各移動ブロック間でスムーズな連続送りブレンドを可能にする切削モード。

おわりに

量産加工における品質の均一性とロット間の高い繰り返し精度を確保するためには、G09またはG9の非モーダル減速チェック指令を、鋭いコーナー部の遷移点や治具周辺の退避ブロックなど、必要な箇所のみに限定してプログラムすることが基本原則となります。すべての動作ブロックに一律で適用すると、加減速によるアイドルタイムが累積し、サイクルタイムが肥大化して生産効率が著しく低下します。量産に入る前の段取り段階において、Fanucの1497番パラメータやMitsubishiのsv024パラメータ、SiemensのG601/G602位置決めウィンドウの設定値を設計許容値に合わせて検証し、さらに空中での空運転(dry run)による干渉確認とチャック・テールストックバリア機能の設定を確実に行うことで、偶発的な機械衝突リスクを排除した安定した生産体制を構築できます。

よくある質問

量産時のロット間で角部の寸法ばらつき(丸まり)が発生する場合、G09のどのパラメータを検証すべきですか?

Mitsubishiのサーボパラメータ#2224 (sv024) やFanucの各軸インポジション幅設定を検証してください。ロット間で材料の硬度やサーボアンプ温度が変わると、G09の動作時に設定された許容値内に入るまでの時間(追従遅れ)が変動し、角部の寸法安定性に影響を及ぼします。実務対策として、段取り時にこれらのパラメータ値をチェックシートに記録し、限界値管理を行ってください。

FanucでG09使用時にAlarm PS0368やPS0010が発生する原因と回避策は何ですか?

PS0368は、G41/G42などの工具オフセットやツール長補正がアクティブな状態で、ツール長補正のシフトタイプを決定するパラメータNo.5040 Bit 3 (TCT) を変更しようとした場合に発生します。また、PS0010は制御装置にオプションが実装されていない、あるいはスペルミスがある場合にトリガーされます。プログラム変更を行う際は、必ず事前にG49を指令してすべての補正を一度キャンセルする記述を徹底してください。

SiemensでG9を実行した直後のブロックでAlarm 14800が発生して停止するのはなぜですか?

これは、G00による位置決めにG9を伴って実行した後、次の切削ブロック(G01など)で送り速度指令(Fワード)の記述が省略され、かつモーダル送り速度がF0にリセットされているために発生します。Siemensでは非モーダルの減速チェック後にアクティブな送り速度が未定義になるのを防ぐため、G9を使用する減速チェックブロックの直後の移動ブロックには、必ず明示的にF指令(例:F200.0)を再記述するプログラミング習慣を徹底してください。

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Hakan Gündoğdu
Hakan Gündoğdu
  • CNC CARE Co-Founder (May 2025 - Present)
  • Mitsubishi Electric NC Sales & Service Section Manager (2008 - 2025)
  • Reis CNC Service Engineer (2003 - 2008)
  • Ören Kalıp CNC Mold Line Team Leader (1999 - 2002)

CNC工作機械業界のあらゆる分野で25年以上の経験を持ち、ブランドに依存しないコンサルティング、エンジニアリング、純正部品サービスを提供するCNC CAREの共同創業者として活動を続けています。

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