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G20とG21 Gコード:CNCインチ・ミリ単位系選択とパラメータ完全解説

G20とG21によるインチ/ミリ単位選択をFanuc、Siemens、Mitsubishiで解説。工具オフセットの自動変換に必要なパラメータ設定(5006番、#1226など)や、クラッシュを防ぐG28基準位置復帰、PS5362やP34アラームの解決方法を紹介します。

Hakan Gündoğdu
Hakan Gündoğdu

CNC CARE 共同創業者

はじめに

G20(インチ)とG21(メトリック)の切り替えにおいて、未検証のパラメータ設定のまま加工を開始することは、機械と工具に深刻なダメージを与える最も危険な要因の一つです。アクティブな工具補正やワーク座標系が自動変換されないまま軸移動が実行されると、超硬工具やターレットアセンブリが高速回転するチャックやテールストックに直接激突する重大な機械衝突が発生します。このパラメータが未検証のまま量産に入ると、2ロット目から寸法ばらつきが広がり、最終検査で初めて不良が発見される。という、再現性の低下に伴う致命的なリスクがあります。しかし、段取り前に5006番パラメータを確認することで、このコマンドで最も多い非計画停止を防げる。のです。量産現場における絶対的な信頼性と繰り返し精度を維持するために、G20/G21コマンドが機械の内部パラメータに与える動的な影響を事前に検証しておくことが不良品発生をゼロにする不可欠な条件です。

技術概要

仕様項目詳細
指令コードG20(Inch入力) / G21(Metric入力)。Fanuc、Mitsubishi、SiemensのISO Dialectでサポート。Siemens nativeモードではG70 / G700(Inch)およびG71 / G710(Metric)を使用。
モーダルグループグループ06、modal(明示的に変更またはオーバーライドされるまでアクティブを維持)。
サポート対象ブランドFanuc、Siemens、Mitsubishi。
重要パラメータFanuc:パラメータ 3402 bit 5(G70)、パラメータ 11222 bit 0(NIM)、パラメータ 14000 bit 2(IRFx)、パラメータ 5006 bit 0(OIM)。Siemens:MD10240 $MN_SCALING_SYSTEM_IS_METRIC、MD10260 $MN_CONVERT_SCALING_SYSTEM、MD10250 $MN_SCALING_VALUE_INCH、MD10884 EXTERN_FLOATINGPOINT_PROG。Mitsubishi:パラメータ #1041 I_inch、パラメータ #1226 aux10/bit6、パラメータ #1152 I_G20、パラメータ #1253 set25/bit1、パラメータ #1042 pcinch。
主な制限事項回転軸は度(deg)にロックされており、単位系スケーリング指令による影響を一切受けない。PLC制御軸はG20/G21のプログラム変更を無視し、ハードウェアレベルの構成パラメータのみに従う。

クイックリード

  • G20/G21の切り替えを実行する前に、G28(特にFanuc)を使用してすべての軸を正しい機械基準位置に戻し、PS5362のような座標シフトアラームを防止する。
  • 標準のG20/G21指令はアクティブなfeedrateを自動的にスケールしないため、単位切り替えの直後に新しいfeedrate値(Fコード)を明示的に定義する。
  • 大幅な寸法偏差を防ぐために、自動工具オフセット変換パラメータ(Fanucの5006 bit 0、SiemensのMD10260、またはMitsubishiの#1226など)が有効になっていることを確認する。
  • 回転軸の座標は例外なく度にロックされており、いかなるインチまたはミリメートルの単位系スケーリング指令からも完全に影響を受けない点に注意する。
  • Siemens制御におけるシンタックスエラーやインタープリタ停止(例:Alarm 15030)を防ぐため、レガシーなISO Dialect単位系指令はブロックの先頭にスタンドアロンでプログラムする。
  • 実加工を開始する前に、空運転 (dry run)グラフィックスとchuck/tailstockバリア(MitsubishiのG22/G23など)を利用して、機械座標を視覚的かつ論理的に検証する。

基本概念

CNCの座標追跡の中核にあるのはG-codeの単位選択指令であり、これは座標値がインチ(G20)またはミリメートル(G21)のどちらで解釈されるかを指定するグループ06に属するmodalコードである。これらの測定システムを変更すると、プログラムされた目標位置、円弧interpolationパラメータ(I、J、K)、およびプログラム可能なワーク座標系を含む、長さ関連データの数学的スケーリングが完全に再定義される。座標を適用する前に正しい平面パラメータを設定することは不可欠であり、多くの場合、単位系スケーリングを実行する前に平面選択 (working plane selection)が必要となる。プログラムが単位系の切り替えを実行すると、「1.0」という値が表す物理的な距離が1ミリメートルから25.4ミリメートル(またはその逆)へとシフトするため、NCファイルにおいて最も重要で重大なセットアップ指示となる。

レガシーな単位系切り替え指令は伝統的に幾何学的な座標寸法のみを変更し、feedrateのFコードや手動パルス発生器(手元ハンドル)の増分ジョグ倍率などの技術的パラメータはスケールされないままである。プログラマーが、アクティブな工具径補正(工具半径補正)を明示的にキャンセルせず、また新しいFコードを書き込まないまま、プログラムの途中でアクティブな単位システムを変更すると、制御装置はスケーリングを誤って解釈してしまう。これは座標の偏差を引き起こし、直ちに制御装置のアラームを発生させ、切削工具を回転するワーク保持具に衝突させ、貴重なワークピースを完全に破損した廃品(スクラップ)に変えてしまう原因となる。

コマンド構造

G20およびG21の構造的な実装では、通常、プログラムの絶対的な先頭にスタンドアロンのG-codeとしてプログラムする必要がある。これらの指令はグローバルなインタープリタの切り替えスイッチとして機能するため、同一ブロック内の他の移動座標やG-codeと組み合わせてはならない。独立したブロック(1行に「G20;」または「G21;」のみを記述)にすることで、インタープリタは移動指示を処理する前に単位の変更を確実に登録する。

ブランドのアクティブな言語ダイアレクト(言語仕様)によっては、代替コードが利用される場合がある。例えば、Siemensのnativeモードでは、幾何寸法をスケーリングするためにG70およびG71を使用するか、幾何データと技術データの両方を同時にスケーリングするために拡張されたG700およびG710を使用する。特定の構成においては、Fanucシステムでも特定のパラメータビットを調整することでG70およびG71を使用してプログラムすることができる。マルチ単位プログラムで直線補間 (linear interpolation)を実行する場合、新しい座標基準を明示的に指定することで正しい移動制限が保証される。構文に関係なく、これらのコードはすべての直線軸の基準単位系を確立する一方、回転軸は一貫して度(deg)という独自の単位を維持する。

G20 ; (インチ指令モード)
G21 ; (メトリック指令モード)

Siemensのnativeモードの場合、構文は以下のように拡張される:

G70   ; (Siemensネイティブ幾何インチモード)
G71   ; (Siemensネイティブ幾何メトリックモード)
G700  ; (Siemens SW5+ 拡張インチモード:幾何とfeedrateをスケーリング)
G710  ; (Siemens SW5+ 拡張メトリックモード:幾何とfeedrateをスケーリング)

ブランド別応用

Fanuc

Fanucコントローラは、modalのグループ06指令であるG20およびG21を介して単位選択を管理する。システムはパラメータとの緊密な統合に依存しており、パラメータ 3402 bit 5が標準のG20/G21またはG70/G71構文を使用するかどうかを制御し、パラメータ 5006 bit 0は寸法偏差を防ぐためにアクティブな工具オフセットが自動的に再計算されるかどうかを定義する。基準点から離れた位置で切り替えを試みると、制御装置は単位スケーリングの切り替えを拒否し、停止する。

単位系切り替えを安全に実行するために、FanucのセットアップではG28を使用して基準位置への復帰を行い、その後、専用ブロックで「G20;」または「G21;」などのスタンドアロン指令を実行する必要がある。

カテゴリ詳細
主要パラメータパラメータ 3402#5 (G70)、パラメータ 11222#0 (NIM)、パラメータ 14000#2 (IRFx)、パラメータ 5006#0 (OIM)
アラームとトリガー条件PS5362 (14000#2が1のときに基準位置から外れた位置での単位切り替え)、PS1298 (11222#1が0のときに手動シフト/ミラーイメージ中の切り替え)、PS0092 (1015#0が1のときに全軸に沿って基準位置から外れた状態での切り替え)
バージョン・シリーズの違いマシニングセンタ(M)およびレガシーなSeries 15-M構成では、パラメータ 3402#5に応じて代替コードG70/G71をサポートするが、旋盤(T)モデルは標準のG20/G21に固執する。

警告:プログラマーは、G20/G21の切り替えを実行する前にパラメータ 5006 bit 0(OIM)が有効になっていることを確認する必要がある。無効な場合、工具オフセットデータが変換されず、未スケールの工具オフセットが適用されるため、ツールパス中に壊滅的な寸法エラーが発生する。

Siemens

Siemens制御装置は、標準のISO Dialect指令(G20/G21)またはネイティブ指令(G70/G71およびG700/G710)を使用した多層スケーリングシステムを活用している。コアとなる基本測定システムはマシンデータ MD10240によって定義され、アクティブなワークオフセットおよび工具オフセットの拡張自動スケーリング変換は MD10260によって制御される。

ISO dialectモードでは、G20またはG21はブロックの先頭にスタンドアロンでプログラムされなければならない。Siemensのネイティブ指令は、N10 G700 X2.75 Y3.22 F10.0 のように移動ブロック内に直接統合される。

カテゴリ詳細
主要パラメータMD10240 $MN_SCALING_SYSTEM_IS_METRIC, MD10260 $MN_CONVERT_SCALING_SYSTEM, MD10250 $MN_SCALING_VALUE_INCH, MD10884 EXTERN_FLOATINGPOINT_PROG
アラームとトリガー条件Alarm 4070 (スケーリングマシンデータの手動変更)、Alarm 15030 (アクティブな測定システムと入力データブロックの競合)、Alarm 4240 (切り替え中の過度な長さ依存ユーザー変数によるCPUオーバーフロー)、Alarm 61529 (基本システムMD10240とプログラムされたG指令のミスマッチ)
バージョン・シリーズの違いソフトウェアバージョン SW5以降は幾何データと技術データ(feedrates)の同時スケーリング用にG700/G710をサポートするが、レガシーなSW1-SW4バージョンは技術データの自動スケーリングをサポートしていない。

警告:システム変換がアクティブでない状態でコアのスケーリングマシンデータを手動で変更すると、Alarm 4070がトリガーされ、既存のバックグラウンドオフセットや補正データが自動的にスケールされなかったことを示す。

Mitsubishi

MitsubishiのCNCプラットフォームは、パラメータ #1226 aux10/bit6が1に設定されている場合、可動エンベロープ全体でG20とG21をダイナミックに処理し、座標表示カウンター、ユーザーパラメータ、およびアクティブなオフセットを変換する。さらに、工場の管理者はパラメータ #1253 set25/bit1を有効にすることで、すべての単位系切り替えの試みをロックアウトし、機械の基本単位座標の整合性を保護することができる。

これらの指令は絶対値としてプログラムされ、単独で、または G21 G01 X150.0 Z50.0 F300.; のように移動ブロック上の互換性のあるG-codeと共にプログラムされる。

カテゴリ詳細
主要パラメータパラメータ #1041 I_inch, パラメータ #1226 aux10/bit6, パラメータ #1152 I_G20, パラメータ #1253 set25/bit1, パラメータ #1042 pcinch
アラームとトリガー条件P67 (プログラム単位切り替えオプションが有効化されずに切り替えが指令された)、P34 (ロックアウトパラメータ #1253がアクティブな状態でモード切り替えが試みられた際にトリガーされるフォーマットエラー)
バージョン・シリーズの違いNC軸はプログラムのG20/G21指令に従うのに対し、PLC制御軸はこれらを完全に無視し、パラメータ #1042 pcinchのみによって制御される。回転軸は、マシニングセンタ(M)および旋盤(L)制御において一貫して度に厳密にロックされている。

警告:パラメータ #1226が0に設定されている場合、G20/G21はプログラム座標を切り替えるがオフセットの変換に失敗し、未スケールのミリメートル工具がインチベースの座標パスに侵入するという深刻なミスマッチを引き起こす。

ブランド比較

項目 / 機能FanucSiemensMitsubishi
主要な単位選択GコードG20(Inch) / G21(Metric)ISOモード:G20 / G21
Siemensモード:G70 / G71
G20(Inch) / G21(Metric)
技術データのスケーリング(feedrateのF)手動での再計算が必要拡張G700 / G710指令によりfeedrateを自動スケーリングアクティブなG20/G21およびG94/G95モードで自動的にスケーリング
基準位置の制限パラメータ 14000#2によりG20/G21を基準位置にのみ制限可能。違反時はPS5362アラームを表示制限なし。ただし、切り替え前にアクティブな座標オフセットの確認またはクリアが必要基準位置制限なし。画面パラメータ #1226が1であれば、座標エンベロープ内の任意の場所で切り替え可能
工具&ワークオフセットの自動スケーリングパラメータ 5006#0 (OIM) を介して構成可能パラメータ MD10260 $MN_CONVERT_SCALING_SYSTEM (SW5+) を介して構成可能パラメータ #1226 aux10/bit6 を介して構成可能
切り替えロックアウト / 保護標準の座標安全パラメータを介してロック可能Alarm 15030により、データブロック内の不整合なブロックをブロックするパラメータ #1253 set25/bit1による明示的なロックアウト。P34アラームをトリガー
PLC軸の取り扱い— (no source)標準のマシンデータの下で処理されるPLC軸はプログラムのG20/G21を完全に無視。単位は #1042 pcinch で設定
回転軸のスケーリング— (no source)度(deg)にロック(スケールされない)度(deg)にロック(スケールされない)

技術解析

分析的観点から言えば、3大制御システムの主な違いは、アクティブ状態の変換手法およびキネマティックな安全上の制約にある。Fanucは、非常に保守的なパラメータロックによる安全哲学を採用している。パラメータ 14000#2を利用することで、機械メーカーは単位変換を物理的な基準位置のみに制限することができ、プログラムの途中で切り替えが指令された場合、制御装置に切り替えを即座に中止させ、PS5362アラームを発行させることができる。Fanucの 標準座標変換(G20/G21)は、工具オフセットレジスタをスケーリングするためにパラメータ 5006#0(OIM)の明示的な有効化を必要とするため、事前に設定されていない限り、標準のG-code実行だけでは工具オフセットの自動スケーリングは保証されない。これとは対照的に、Mitsubishiはより動的でオンザフライなアプローチを提供する。パラメータ #1226を介して、Mitsubishiはワークエンベロープ内の任意の場所で単位切り替えを実行することができ、位置カウンター、feedrates、および工具オフセットを自動的に変換する。しかし、管理制御を維持するために、P34アラームをトリガーする専用の管理者用ロックアウトパラメータ #1253 set25/bit1を統合しており、プログラムレベルでの単位系切り替えを完全に防止する。

Siemensは、ISO dialectの解析とネイティブのNC設定を融合させた、洗練された多層構造のアーキテクチャ階層の下で動作する。標準のISO G20およびG21は幾何寸法のみをスケールするが、SiemensのネイティブのG700およびG710指令(ソフトウェアバージョンSW5以降で利用可能)は、単一ブロックで幾何データと技術的パラメータ(feedrateのFなど)の両方を同時にスケーリングする。Siemensは、MD10260 $MN_CONVERT_SCALING_SYSTEMを通じてバックグラウンドの補正値とワークオフセットを管理し、未スケールの移動座標の実行を防ぐ。FanucおよびMitsubishiとは異なり、Siemensはユニークな MD10884 EXTERN_FLOATINGPOINT_PROG パラメータも提供しており、オペレータは小数点のない座標値の解釈方法(標準の内部入力単位として扱うか、ポケット電卓方式のミリメートルやインチの単位として扱うか)を動的に切り替えることができ、他に類を見ないレガシーコードの解析機能を実現している。

プログラム例

FanucのG-codeプログラム例

G28 U0 W0;                  ; 基準位置への復帰(多くのFanucセットアップで必須)
G20;                        ; インチ入力の選択
G00 X2.0 Z1.5;              ; インチ単位での位置決め(早送り)

空運転

空運転の際、オペレータはまず turret が G28 U0 W0 を使用して物理的な機械基準座標系に退避していることを確認する必要がある。基準位置に到達すると、制御装置はG20を処理してインタープリタのスケールをシフトし、続く位置決め指令 G00 X2.0 Z1.5 がアクティブな座標系に対してツールをX軸方向に正確に2.0インチ、Z軸方向に1.5インチ移動させる。オペレータは、画面上の現在位置カウンターの単位が変化するのを確認し、ツールパスグラフィックスを観察して、未スケールのミリメートル座標がアクティブのままになっていないことを確認すべきである。

SiemensのG-codeプログラム例

G291;                       ; ISO dialectモードに切り替え
G20;                        ; インチ入力の選択
G290;                       ; Siemensモードに戻る
N10 G700 X2.75 Y3.22 F10.0; ; ネイティブSiemensインチモード(G700による座標およびfeedrateのFコードのスケーリング)

空運転

空運転の際、制御装置はまず G291 を実行して、ブロック内で独立しているレガシーなISO単位選択指令 G20 をパースする。G290 を介してネイティブモードに戻ると、ブロック N10 は拡張ネイティブ指令 G700 を呼び出し、これにより制御装置は座標 X2.75 Y3.22 をインチとして解釈すると同時に、feedrate F10.0 を毎分10.0インチ(inch/min)に変換する。オペレータは、実加工を開始する前に、診断画面上で軸の移動とfeedrateの速度の両方が正しくスケーリングされていることを確認しなければならない。

MitsubishiのG-codeプログラム例

G20;                        ; プログラム指令単位をインチシステムに切り替え
G00 X5.0 Z2.0;              ; インチ単位での位置決め(早送り)
G21 G01 X150.0 Z50.0 F300.; ; ミリメートル単位での直線補間(G01)と毎分ミリメートル(mm/min)のfeedrateを伴うメトリックモードへの切り替え

空運転

空運転の際、プログラマーはG20がインタープリタの単位スケールをインチに切り替え、それにより G00 X5.0 Z2.0 の早送り動作がX軸方向に5.0インチ、Z軸方向に2.0インチ移動されることを検証する。その後、制御装置は次のブロックを読み込み、G21によって modal状態が瞬時にメトリックへとシフトし、G01 X150.0 Z50.0 F300. がメトリックのfeedrate 300 mm/minでミリメートル(X軸方向に150.0 mm、Z軸方向に50.0 mm)の直線補間を行う。オペレータは、位置表示画面上での突然のfeedrateの減速と座標変換を監視しなければならない。

エラー解析

ブランドアラームコードトリガー条件オペレータ症状根本原因 / 対策
FanucPS536214000#2が有効なときに、基準位置から外れた場所でG20/G21の単位切り替えを試みた場合。機械は即座に停止し、画面に「CONVERT INCH/MM AT REF-POS」アラームが表示され、軸の移動が停止する。根本原因:軸が基準点に位置決めされていない。
対策:単位切り替え指令を実行する前に、G28をプログラムしてツールを基準位置に戻す。
FanucPS1298ワーク座標系がシフトしている状態で、11222#1が0に設定されているときにG20/G21を指令した場合。プログラム実行が中止され、画面に「ILLEGAL INCH/METRIC CONVERSION」アラームが表示される。根本原因:手動介入、手元ハンドル割り込み、またはアクティブなミラーイメージによるアクティブなシフト量が係合している。
対策:すべての手動シフト量をクリアするか、パラメータ 11222 bit 1(CIM)を1に設定してシステムによる自動クリアを許可する。
FanucPS0092全軸に沿って機械が基準位置に配置されていないときに単位を切り替えた場合(パラメータ 1015#0が1)。システムはP/Sアラーム92を生成し、CNCはアラーム状態に入り、すべての軸の動きをブロックする。根本原因:システムは、測定システムを変更する前にすべての軸が基準位置にあることを要求する。
対策:G20/G21の切り替えに先立ち、すべての軸に沿って完全な手動またはプログラムによる基準位置復帰を実行する。
SiemensAlarm 15030アクティブな制御測定設定と矛盾するINCHまたはMETRIC指示を読み取った場合。インタープリタは即座に実行を停止し、サイクルスタートが中断され、画面に測定システムのミスマッチが表示される。根本原因:制御装置のアクティブな測定システムと、読み込まれたデータブロックの測定システムが一致していない。
対策:制御装置の測定システムと読み込むデータブロックを一致させるか、プログラムされたG-codeを修正する。
SiemensAlarm 4070単位系スケーリングのマシンデータ(MD10260など)を手動またはファイル経由で変更した場合。画面に「Scaling machine data altered(スケーリングマシンデータが変更されました)」の警告が表示され、その後の軸移動が未スケールのデータで実行される可能性がある。根本原因:自動オフセット再計算が有効にされないまま、マシンデータスケーリングシステムが変更された。
対策:POWERONリresetを実行してスケーリングを有効にし、すべての工具補正/オフセット値を手動で確認する。
SiemensAlarm 4240長さ依存のユーザー変数が過剰な状態で測定システムを切り替えた際のCPU時間オーバーフロー。NCKのインタープリタがオーバーフローし、システムが停止するか通信ラグが発生し、画面にフォーマット変換エラーが表示される。根本原因:切り替え時に、メインラン同期アクション内で多くのアクティブな長さ依存ユーザー変数(GUD/PUD/LUD)が存在している。
対策:メインラン同期アクションでの物理的な長さ依存のユーザー変数の使用を避けるか、最小限に抑える。
MitsubishiP34ロックアウトパラメータ #1253 set25/bit1が1に設定されているときに、G20またはG21を指令した場合。CNCはP34フォーマットエラーをトリガーし、モード切り替えは拒否され、軸の移動がブロックされる。根本原因:機械座標を保護するために、単位系変換のセキュリティロックが有効になっている。
対策:ロックアウトパラメータ #1253 bit 1を0に変更して単位スケーリング切り替えを許可するか、プログラムからG20/G21指令を排除する。
MitsubishiP67プログラム単位切り替えオプションが有効化されていない制御装置でG20/G21を指令した場合。アラーム P67「No spec」が表示され、プログラムの実行が停止し、機械は基本単位状態のままになる。根本原因:物理的なコントローラに必要なプログラム単位変換のソフトウェアオプションがない。
対策:Mitsubishiからオプション仕様を注文してアクティブにするか、機械のネイティブ単位システムでG-codeプログラムを書き直す。

実務応用ノウハウ

切削工具が加工プログラムと異なるスケールで駆動され、壊滅的なハードクラッシュを引き起こすトラブルの多くは、制御パラメータの設定不備に起因します。特に、Fanuc制御においてパラメータ 14000 bit 2(IRFx)が有効になっている場合、ツールが基準位置(マシンホーム)に退避していない状態でG20/G21の切り替えを実行すると、瞬時にPS5362アラームが発生して機械は即座に非計画停止します。このような不要なアラーム停止を防ぐためには、切り替え前に必ずG28コマンドを挿入し、ツールを確実に基準位置へ退避させなければなりません。さらに、Fanucのパラメータ 5006 bit 0(OIM)やMitsubishiのパラメータ #1226 aux10/bit6が「0」のままG20/G21の切り替えが実行されると、移動座標だけが変換され、工具幾何・摩耗オフセットやワーク座標オフセットが未スケールのまま適用されます。これは、0.05インチの退避動作がわずか0.05ミリメートルと解釈され、ツールが被削材や回転チャック、バイスジョー、クランプ等の障害物に突き刺さる致命的な不良品発生を招きます。再現性の低下を防ぐため、量産時にはこれらのパラメータが常に「1」に設定されていることを確認してください。また、MitsubishiシステムにおいてPLC制御軸がプログラム上のG20/G21切り替えを完全に無視し、専用パラメータ #1042 pcinch の送り単位に固定される仕様や、回転軸が常に度にロックされる仕様を理解しておくことも、バックグラウンドローダーや周辺機器の衝突を防止するための重要な安全対策です。

Siemensシステムでは、ソフトウェアバージョンSW5以降で導入された拡張ネイティブ指令 G700 または G710 を使用することで、幾何学的寸法と同時にfeedrate(Fコード)などの技術的パラメータを同一ブロックで一括スケーリングさせることが可能です。もしパラメータ MD10260 $MN_CONVERT_SCALING_SYSTEM が正しく設定されていない状態でマシンデータを手動で変更すると、Alarm 4070が発生して自動変換が無効になり、ロット内の重大な寸法偏差に繋がります。加工開始前には必ずG22チャックおよびテールストックバリアチェック機能で物理的制限範囲を設定するとともに、空運転によるグラフィック確認でツールパスとオフセットが正しい単位系に数学的にスケーリングされているかを確実に検証することが、高精度なロット生産の信頼性と繰り返し精度を保証する唯一の道です。

関連コマンド

  • G28(基準位置復帰)- 位置基準の座標シフトアラームを防ぐために、単位系切り替えを実行する前に軸を機械原点に戻すために不可欠。
  • G70 / G71(インチ/メトリック入力)- Siemens、およびパラメータ設定を介してFanucセットアップでオプションで利用されるネイティブの幾何単位系選択指令。
  • G700 / G710(インチ/メトリック技術データスケーリング)- 座標、補正値、および技術的feedratesを同時に変換するSiemensの拡張ネイティブ指令。
  • G22 / G23(チャック/テールストックバリアチェック)- スローアウェイ式工具(インデキサブル工具)の衝突を防ぐために、正確な単位スケーリングに依存する物理的境界を保護する。
  • G94 / G95(非同期/同期送り速度モード)- アクティブな単位選択G-codeに応じてスケーリングされる、アクティブな送り速度(inch/minまたはinch/rev vs mm/minまたはmm/rev)を設定する。

おわりに

確実な単位系プログラミングと徹底したパラメータ管理は、高精度なロット生産における信頼性と繰り返し精度を確立するための核心的アプローチです。段取り工程において、各メーカーのコントローラ設定(Fanucの5006番、SiemensのMD10260、Mitsubishiの#1226)を事前に文書化し、自動工具オフセットスケーリングの挙動を機械ごとに把握しておく必要があります。G28を介した基準位置復帰の徹底、G22による安全バリア機能の適用、そして実加工前におけるグラフィックによる空運転での検証プロセスを標準作業指示書(SOP)に組み込むことで、不注意による未スケール動作を物理的・論理的に完全に遮断できます。この標準化された事前検証手順のみが、再現性の低下や不要な不良品発生を防ぎ、加工機の稼働率と品質の最大化を約束します。

よくある質問

ロット間の寸法ばらつきを防ぐため、量産開始前にどのパラメータを確認すべきですか?

ロット生産における寸法ばらつきや再現性の低下を防ぐには、自動工具オフセット変換パラメータ(Fanucの5006番bit 0、SiemensのMD10260、Mitsubishiの#1226番bit 6)が「1」(有効)になっていることを必ず確認します。これが「0」になっていると、プログラム座標は換算されても、オフセットデータの寸法がインチとミリで置き去りになり、重大な加工誤差が生じます。具体的な対策として、量産開始前にこれらのパラメータ状態を画面上で点検し、チェックシートに記録することを義務付けてください。

単位スケーリング指令実行時に発生するPS5362やP34などのアラームはどのように対処すべきですか?

これらのアラームは、安全のために制御装置が不意な単位切り替えを制限していることを示します。FanucのPS5362アラームは、パラメータ 14000 bit 2(IRFx)の設定により、基準位置(マシンホーム)以外でのG20/G21切り替えが禁止されているために発生します。また、MitsubishiのP34アラームはロックアウトパラメータ #1253 が有効になっている証拠です。具体的な対策として、単位切り替え指令(G20/G21)の直前に必ず「G28」による全軸基準位置復帰コマンドプログラムに記述し、必要に応じて管理者にパラメータ設定の解除を要請してください。

PLC軸や外部ローダーがプログラムのG20/G21指令に従わず衝突するリスクへの対策はありますか?

プログラム内のG20/G21指令は、切削に関わるNC補間軸にのみ有効であり、PLC制御軸やロボットローダーの送り機構はそれらのプログラム指令を完全に無視します(例えばMitsubishiでは #1042 pcinch パラメータの設定に従います)。このため、NCプログラムのみに依存していると、周辺ローダー機器が未スケールのまま移動して衝突する危険があります。具体的な対策として、PLC軸のストロークリミット設定値をパラメータで厳密に検証し、NCのG20/G21切り替え信号とPLCのインターロック回路を同期させるシーケンスロジックを設計・導入してください。

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Hakan Gündoğdu
Hakan Gündoğdu
  • CNC CARE Co-Founder (May 2025 - Present)
  • Mitsubishi Electric NC Sales & Service Section Manager (2008 - 2025)
  • Reis CNC Service Engineer (2003 - 2005)
  • Ören Kalıp CNC Mold Line Team Leader (1999 - 2002)

CNC工作機械業界のあらゆる分野で25年以上の経験を持ち、ブランドに依存しないコンサルティング、エンジニアリング、純正部品サービスを提供するCNC CAREの共同創業者として活動を続けています。

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