G51.1プログラマブルミラーイメージGコードのCNC解説
G51.1プログラマブルミラーイメージ(対称反転)のCNCプログラミング手法と衝突防止パラメータ設定を解説。Fanuc 5002番やSiemens MD 10610の検証、アラームPS0509対策、ロット間再現性と信頼性を高める実務ノウハウを網羅。
はじめに
ワーク座標系においてG51.1プログラマブルミラーイメージ(対称座標反転)を使用する際、ミラーキャンセルコマンドのG50.1をアクティブな対称中心とは異なる座標位置で実行すると、制御装置の絶対レジスタと物理的な機械位置との間に目に見えない座標ドリフト(位置ずれ)が発生します。この位置ずれが残ったまま次の加工ブロックやツール退避に進むと、スピンドルやツールタレットがプログラムされた安全領域(セーフティゾーン)を逸脱し、テーブル上のワーク保持用バイスジョー(vise jaw)や固定クランプ(clamps)、あるいは回転する主軸チャック(chuck)に最高速度で激突する深刻なハードクラッシュを引き起こします。これにより、高価な超硬工具が粉砕され、ガイドレールなどの機械軸が歪み、過負荷アラーム(軸オーバーロード)を誘発して自動運転が即座に停止するだけでなく、ワークピースが一瞬で廃品(不良品)へと変わってしまいます。このパラメータが未検証のまま量産に入ると、2ロット目から寸法ばらつきが広がり、最終検査で初めて不良が発見される。段取り前に5002番パラメータを確認することで、このコマンドで最も多い非計画停止を防げる。座標系の物理的な位置ずれによる再現性の低下や不良品発生を確実に防止することは、ロット間の長期的な生産の信頼性と繰り返し精度を確立するための不可欠な前提条件です。
技術概要
| 機能属性 | 仕様スペック |
|---|---|
| コマンドコード | G51.1 (ON) / G50.1 (Cancel) (Fanuc, Mitsubishi, Siemens ISO); MIRROR / AMIRROR (Siemens Native) |
| モーダルグループ / モーダル特性 | グループ22モーダル (Fanuc, Siemens ISO Dialect); グループ19モーダル (Mitsubishi) |
| 対応ブランド | Fanuc, Siemens, Mitsubishi |
| 重要パラメータ | Parameter No. 5002 Bit 2 (LWT) & Bit 4 (LGT), Siemens MD 10610 $MN_MIRROR_REF_AX, Mitsubishi Parameter #1003 (iunit) |
| 主な制約事項 | ミラーリングは同一の対称中心座標でアクティブ化およびキャンセルする必要があります。G53機械座標系には適用されません。先端点制御(G43.4/G43.5)または傾斜面制御(G176/G68.2)の実行中はアクティブにできません。 |
クイックリード
- パーサーエラーやインタープリタエラーを防ぐため、常にG51.1とG50.1は独立した別々のブロックで指令してください。
- 軸ドリフトや座標のずれを防ぐため、ミラーイメージのアクティブ化とキャンセルは、正確に同じ対称中心座標で行ってください。
- ミラーイメージを呼び出す、またはキャンセルする前に、刃先R・工具径補正(G41/G42)がキャンセル(G40)されていることを確認してください。
- G51.1ミラーイメージの有効中は、機械座標系移動(G53)指令を実行しないでください。機械座標による移動はスケーリングやミラーリングをバイパスします。
- 工具オフセット変更時のアラームPS0509の発生を防ぐため、Fanucの5002番(LWT/LGT)やSiemensのMD 10610などの重要パラメータを確認してください。
- ミラーイメージを指令する前に、先端点制御(G43.4/G43.5)や傾斜面制御(G176)をキャンセルしてください。
基本概念
CNCマシニングセンタでG51.1プログラマブルミラーイメージコマンドを有効にすると、指定した対称軸に対してワーク座標の符号が数学的に反転され、プログラマーは単一のサブプログラムを使用して左右のプレートなどの対称形状ワークを加工できます。モーションカーネルの極めて重要な利点は、アクティブな加工平面に対して単一軸のミラーイメージが適用された際、制御システムが自動的に円弧補間の方向を反転し(G02時計回りをG03反時計回りに、G03をG02に解釈)、刃先R・工具径補正オフセットベクトルを反転させる(G41左側補正をG42右側補正に、G42をG41に解釈)ことです。この自動的なベクトル軌道の再計算により、オペレータは対称側のワークピースでも正しい登り(アップカット)または下り(ダウンカット)ミーリング戦略を維持しながら、同一の輪郭加工を対称的に実行できます。
しかし、G51.1ミラーイメージモードが実行される際には、プログラマーや段取りオペレータは座標の登録状態と物理的な可動境界に対して絶対的な警戒を維持しなければなりません。軸ドリフトを防ぐための重要な安全規則として、ミラーイメージコマンドは常に元のミラー対称中心で呼び出しおよびキャンセルを実行する必要があります。もしオペレータが異なる座標位置でG50.1ミラーキャンセルを指令すると、プログラムの絶対座標と実際の機械位置との間にずれが生じます。この座標偏差は、絶対位置決め指令(G90)が発行されるか、あるいは基準位置復帰(G28またはG30)が実行されるまで、NCシステム内に保持されます。この座標偏差が残った状態で治具の近くで加工ブロックが実行されると、主軸またはツールタレットは補正されていない経路上を移動し、確立された安全領域(セーフティゾーン)をバイパスしてしまいます。この予期せぬ移動により、ツールタレットまたは主軸がテーブルマウントのワーククランプ、ワーク固定用のバイスジョー、あるいは回転するスピンドルチャックに直接突入し、致命的なハードクラッシュを引き起こします。この物理的衝突は必然的に切削工具を粉砕し、送り軸のガイドを損傷させ、軸オーバーロードアラーム(過負荷アラーム)を発報し、元のワーク素材を完全に使用不可の廃品(不良品)へと変えてしまいます。
コマンド構造
対称加工プログラムでは、指定された対称面を中心に正確な座標マッピングが必要です。プログラマブルミラーイメージコマンドは、指定された軸のすべての座標値にマイナス1を乗じることで、対称軸を確立します。構文はミラー反転の対象軸とその中心座標を定義します。
プログラマーは特定のアドレスを使用してG51.1ブロックを構成する必要があります。このコマンドは、反転経路上の任意の移動指令を実行する前に、独立した専用ブロックに記述される必要があります。これにより、制御装置が座標オフセットを処理する前にレジスタを確実に更新できます。
- Fanuc:
G51.1 IP_ ;(ON) /G50.1 IP_ ;(Cancel) - Siemens ISO Dialect:
G51.1 X_ Y_ Z_ ;(ON) /G50.1 X_ Y_ Z_ ;(Cancel) - Siemens Native Mode:
MIRROR X0(またはY0、Z0) /AMIRROR X0(またはY0、Z0) /MIRROR(Cancel) - Mitsubishi:
G51.1 X_ Y_ Z_ ;(ON) /G50.1 X_ Y_ Z_ ;(Cancel) またはG62 X_ Y_ Z_ ;(位置相対)
| アドレス / パラメータ | 説明 |
|---|---|
| IP_ / X_ Y_ Z_ | ミラー対称軸およびミラー対称面の中心座標を指定します。G50.1では、軸座標はダミー値(無視されます)ですが、どの軸をキャンセルするかを選択するために記述する必要があります。 |
| MIRROR / AMIRROR | Siemensネイティブの絶対(MIRROR)または付加(AMIRROR)ミラーリングコマンドです。MIRRORのみを単独で指定すると、すべてのミラーフレームがキャンセルされます。 |
| G62 | 現在の工具位置を対称中心としてミラーリングを有効または無効にするMitsubishiのコマンドです(座標は対象軸を指定:1でミラーリング、0でキャンセル)。 |
ブランド別応用
Fanuc
Fanuc制御では、プログラマブルミラーイメージはグループ22のGコードを介して制御されます。ミラーモード中における工具摩耗オフセットおよび工具形状オフセットは、座標再計算エラーを防ぐためにパラメータで厳密に制御されています。
GコードのG51.1は指定された中心点を基準にミラーリングを有効にし、G50.1はダミーの座標入力を使用して指定された軸のミラーリングをキャンセルします。
- Parameter No. 5002 Bit 2 (LWT): 工具摩耗補正(オフセット)加算方法。1の場合、摩耗補正は座標系のシフトとして適用されるため、ミラーモード中にオフセットを指令するとアラームPS0509が発生します。
- Parameter No. 5002 Bit 4 (LGT): 工具形状補正(オフセット)加算方法。0の場合、形状補正は座標系のシフトとして適用されるため、ミラーモード中にアラームPS0509が発生します。
- Parameter No. 5001 Bit 6 (EVO): 工具補正量変更ロック。1の場合、G51.1の有効中に工具補正を変更することが禁止され、アラームPS0509が発生します。
- Alarm PS0509: アクティブなシフトパラメータが設定された状態で、G51.1が有効なときに工具オフセットを指定または変更した場合に発生します。
- Alarm PS0037: 単一軸のミラーリングおよび工具径補正(刃先R補正)が有効な状態で、アクティブな平面(G17/G18/G19)を変更した場合に発生します。
- バージョンによる違い: 現代的なSeries 30i/31i/32i-B Plus制御では、Parameter No. 5000 Bit 3 (GNI)を使用してG40キャンセルベクトルの軌道を計算しますが、古いSeries 16i/18i/21iや0i-Cはこのパラメータを持たず、経路の不一致を引き起こす場合があります。
警告: Parameter No. 5002 の Bit 2 または Bit 4 が、座標系シフトによって補正を加算するように構成されている場合、G51.1の実行中に工具オフセットを変更または指定するとアラームPS0509が発生します。
Siemens
Siemens制御は、バイリンガルなコンパイル処理に対応しています。ネイティブモードはフレーム指令を使用し、ISOダイアレクトモードは外部言語インタープリタが有効な場合にFanucスタイルのミラーコマンドをコンパイルします。
ネイティブモード(G290)では、ミラーリングはMIRRORまたはAMIRRORによって有効になり、MIRROR単独の記述でキャンセルされます。ISOダイアレクトモード(G291)では、ミラーリングはG51.1およびG50.1を使用します。
- MD 10610 $MN_MIRROR_REF_AX: ミラー基準軸。座標ミラーリングが実行される対称軸を定義します。
- MD 18800 $MN_MM_EXTERN_LANGUAGE: 外部NC言語の有効化。G291 ISOダイアレクトモードを有効にするには1に設定する必要があります。
- Alarm 61800: 外部CNCシステム未定義。MD 18800が無効な状態でG291、G51.1、またはG50.1がプログラミングされた場合に発生します。
- Alarm 12080: 構文エラー / 不明なブロック。ISOダイアレクトモード中に認識できないコマンドが解析された場合に発生します。
- バージョンによる違い: 先進的なSINUMERIK 840D slシステムは、衝突回避機能および動的パラメータをサポートしていますが、SINUMERIK 802D slはMD 10604などのマシンデータがハードロックされており、変更できません。
警告: ネイティブのMIRRORは「置換型」のコマンドです。MIRRORのみを単独で記述するとミラーリングがキャンセルされますが、ROT(回転)やTRANS(ゼロオフセット)など、他すべてのアクティブなフレーム変換も同時にクリアされます。
Mitsubishi
Mitsubishiマシニングセンタは、G51.1をグループ19のモーダルコマンドとして実装しています。標準の座標ミラーリングと、セットアップを簡素化するための位置相対ミラーイメージをサポートしています。
G51.1およびG50.1に加えて、Mitsubishiは現在の工具位置を対称中心としてミラーリングを実行するG62コマンドを提供しています。
- Parameter #1003 iunit: 入力設定単位。座標入力の分解能および対称中心座標の許容範囲を定義します。
- Parameter #8211 Mirror image: パラメータによるミラーイメージ。ソフトウェアベースのミラーリングを有効にします。
- Program Error (P801): 工具位置補正(G43.7)が有効な状態でG51.1またはG50.1が指令された場合、またはその逆の場合に発生します。
- Program Error (P942): 先端点制御(G43.4/G43.5/G174)が有効な状態でG51.1またはG50.1が指令された場合に発生します。
- バージョンによる違い: M800V/M80Vシリーズ制御は、レガシーなMitsubishi制御にはないサブミクロン単位のMetric Unit E入力設定(最大小数点以下6桁)をサポートしています。
警告: 先端点制御(G43.4/G43.5)または傾斜面制御(G176)がアクティブな間は、G51.1およびG50.1を実行してはなりません。そうしないと、プログラムエラーP942またはP952が発生します。
ブランド比較
| 項目 | Fanuc | Siemens | Mitsubishi |
|---|---|---|---|
| Gコードコマンド | G51.1 IP_ ; (グループ22) | ネイティブMIRROR/AMIRROR (G290) または ISOモード (G291) での G51.1 | G51.1 X_ Y_ Z_ ; (グループ19) または代替の G62 |
| キャンセル方法 | G50.1 IP_ ; (グループ22) | 軸なしのネイティブMIRROR、または ISOモード (G291) での G50.1 | G50.1 X_ Y_ Z_ ; (グループ19) または G62 X0 Y0 Z0 |
| 対称中心の定義 | G51.1ブロックの座標(絶対/インクリメンタル)で指定。 | ネイティブ:アプローチ座標は評価されず、ワークオフセットにより決定。ISOモード:G51.1ブロックの座標。 | G51.1ブロックで指定、または G62 を使用して現在の工具位置で動的に設定。 |
| キャンセル時の副作用 | G50.1は、他のオフセットに影響を与えることなく、指定された軸のみミラーリングをキャンセルします。 | 軸なしの空のネイティブMIRRORコマンドは、他すべてのアクティブなフレーム(回転、スケーリング、オフセット)を自動的にキャンセルします。 | G50.1は、他のオフセットに影響を与えることなく、指定された軸のみミラーリングをキャンセルします。 |
| パラメータインターロック | アクティブなシフトパラメータ(No. 5002 LWT/LGT)が設定された状態で、ミラーモード中に工具オフセットが定義/変更されると、アラームPS0509が発生します。 | MD 10760は、フレームサプレッション(G53/SUPA)中の工具補正抑制を定義します。 | ミラーリングがアクティブな工具位置補正、先端点制御、または傾斜面制御と競合すると、プログラムエラー P801/P942/P941/P952/P953 が発生します。 |
技術解析
Fanuc、Siemens、およびMitsubishiにおけるミラーイメージのアーキテクチャ上の相違点は、座標フレームおよびコンパイラ・インタープリタの構造設計に起因しています。Siemensはバイリンガルなコンパイラ構造を採用しており、ネイティブのSINUMERIKモード(G290)とISOダイアレクトモード(G291)の間で明確な遷移が必要です。レガシーなISOコードをプログラムする場合、G51.1およびG50.1を正しく解析するために、プログラマーはG291を明示的に指令しなければなりません。これとは対照的に、FanucおよびMitsubishiは、ミラーリングコマンドを主要な命令セット内でネイティブにコンパイルするため、インタープリタを切り替える必要がありません。
座標変換のキャンセルも重要な分岐点です。FanucおよびMitsubishiでは、G50.1は選択的なモーダルキャンセルコマンドとして動作し、プログラムされた軸のみに影響を与え、他の座標変換(スケーリングやワーク座標系オフセットなど)は変更しません。Siemensでは、軸なしでプログラミングされたネイティブのMIRRORコマンドは「置換指令」として機能します。このネイティブのキャンセルはフレームスタック全体をクリアし、アクティブな回転(ROT)、スケーリング(SCALE)、および微小ゼロオフセット(TRANS)を自動的に消去します。そのため、プログラマーは連鎖された座標変換を失うのを防ぐために、Siemensのネイティブなキャンセルを慎重に処理する必要があります。
最後に、パラメータレベルのインターロックは、物理的なマシンの状態をブランドごとに異なる方法で保護します。Fanucはパラメータ設定(No. 5002およびNo. 5001)に大きく依存して、アクティブなミラーリング中の工具オフセット修正をロックまたは許可し、違反した場合にはアラームPS0509を発生させます。Mitsubishiは厳格なプログラム的制限を強制し、特定のプログラムエラー(工具位置補正との衝突に対するP801、先端点制御や傾斜面制御との衝突に対するP942やP952など)を発生させます。Siemensはマシンデータレジスタ(MD 10760など)を使用して、フレームが抑制されたときに工具長および工具半径補正を抑制するか維持するかを定義します。
プログラム例
Fanuc Example:
G90 G00 G54 X150.0 Y100.0 ; 通常座標系における絶対開始位置へ位置決め
G51.1 X100.0 Y50.0 ; 中心座標 X100.0、Y50.0 を中心に対称軸となるX軸およびY軸のミラーイメージを有効化
; ここに対称形状の加工経路を記述...
G50.1 X0 Y0 ; X軸およびY軸のミラーイメージをキャンセル(座標値 X0 および Y0 はダミー値であり無視されます)
実際の加工を開始する前に、Fanucプログラムの空運転 (dry run)を実行してください。オペレータは、Z軸オフセットをワークピースより上に上げた状態で空運転を実行する必要があります。制御システムはG51.1ブロックを処理し、ミラーの対称中心を X100.0 Y50.0 に設定します。その後の移動は、この中心点に対して対称的にマッピングされます。最後に、G50.1ブロックがミラーリングをキャンセルし、座標スケールの計算を 1:1 に戻します。
Siemens Example:
N10 G290 ; ネイティブモード:平面選択、座標オフセット、工具刃先、およびスピンドル始動
N20 AMIRROR X0 ; ネイティブモード:X軸に付加的な座標ミラーリングを追加(X座標を反転)
N30 MIRROR ; ネイティブモード:パラメータなしでMIRRORを指令し、すべての軸の座標ミラーリングをキャンセル
N40 G291 ; レガシーGコードをコンパイルするためにインタープリタをISOダイアレクトモードに切り替え
N50 G51.1 X100.0 Y50.0 ; ISOモード:中心 X100、Y50 を中心に対称なX軸およびY軸のプログラマブルミラーリングを有効化
N60 G50.1 X0 Y0 ; ISOモード:X軸およびY軸のプログラマブルミラーリングをキャンセル(座標値は無視されます)
空運転を実行して、Siemensの座標ミラーリング変換を検証します。NCコンパイラはネイティブモードに切り替わり、X軸のミラーリングを適用します。パラメータのない空のMIRROR命令は、アクティブなフレームをすべてリセットします。コンパイラがISOモード(G291)に切り替わると、G51.1を読み込み、ミラー対称中心を X100.0 Y50.0 に設定します。G50.1コマンドがミラーリングをキャンセルし、標準の座標系を復元します。
Mitsubishi Example:
G90 G00 G54 X150.0 Y100.0 ; 通常座標系における絶対急送り位置決め
G51.1 X100.0 Y50.0 ; 中心座標 X100.0、Y50.0 を中心に、GコードによるX軸およびY軸のミラーイメージを有効化
; 対称経路...
G50.1 X0 Y0 ; X軸およびY軸のミラーイメージをキャンセル(座標のダミー値は無視されます)
空運転を実行して、Mitsubishiのミラーリング状態を確認します。機械は通常モードで開始座標まで急送りします。G51.1が実行されると、制御システムは以降の移動を X100.0 Y50.0 の中心に対称的にマッピングします。最後に、G50.1がミラーリングモードをキャンセルし、座標処理を標準の絶対値に戻します。
エラー解析
| ブランド | アラームコード | 発生条件 | オペレータに現れる症状 | 原因 / 対策 |
|---|---|---|---|---|
| Fanuc | Alarm PS0509 | アクティブなシフトパラメータ(LWT = 1、LGT = 0、またはEVO = 1など)が設定された状態で、G51.1の有効中に工具オフセットを指定または変更した場合。 | 機械が停止し、画面にアラームPS0509「TOOL OFFSET CANNOT BE CHANGED IN G51.1 MODE」が表示されます。 | ミラーリングの有効中は工具オフセットの変更や呼び出しができません。対策:オフセットを変更する前に、G50.1でミラーイメージをキャンセルするか、パラメータNo. 5002およびNo. 5001を調整してください。 |
| Fanuc | Alarm PS0037 | 単一軸のミラーリングが有効で、かつ工具径補正(刃先R補正)がアクティブな状態で、加工平面(G17/G18/G19)を変更した場合。 | 機械が停止し、画面にアラームPS0037「PLANE SWITCH DURING MIRRORING WITH CRC ACTIVE」が表示されます。 | アクティブな工具径補正が、ミラーリング中の加工平面変更と競合しています。対策:平面を変更する前に、G40で工具径補正をキャンセルしてください。 |
| Siemens | Alarm 61800 | 外部NC言語インタープリタオプション(MD 18800)が無効な状態で、G291、G51.1、またはG50.1をプログラミングした場合。 | 制御システムが実行を停止し、画面にアラーム61800「EXTERNAL NC SYSTEM OPTION MISSING」が表示されます。 | SiemensのインタープリタがISOダイアレクトコードを解析できません。対策:マシンデータ MD 18800 ($MN_MM_EXTERN_LANGUAGE) を 1 に設定して、ISOコンパイルを有効にしてください。 |
| Mitsubishi | Program Error (P801) | 工具位置補正(G43.7)がアクティブな状態でG51.1またはG50.1を指令した場合、あるいはその逆。 | 機械がエラー状態になり、画面にプログラムエラーP801が表示され、動作が停止します。 | アクティブな工具位置補正とミラーイメージコマンドとの競合。対策:ミラーイメージを呼び出す、またはキャンセルする前に、工具位置補正をキャンセルしてください。 |
実務応用ノウハウ
ワーク座標系においてG51.1プログラマブルミラーイメージを使用する際、対称中心と異なる位置でG50.1キャンセルコマンドを実行すると、スピンドルやツールタレットがテーブル上の治具バイスジョー(vise jaw)や回転するチャック、固定クランプ(clamps)に最高速度で激突する機械的衝突事故に直結します。これはキャンセル動作のオフセットにより絶対座標系にドリフトが生じ、以降の退避動作で安全領域を逸脱して uncompensated なパスを走行するためです。このクラッシュを防ぐには、Fanuc Parameter No. 5002のBit 2(LWT)およびBit 4(LGT)、あるいはSiemens MD 10610のマシンデータを事前に検証し、ミラー有効中の工具オフセット(Tコード)の呼び出しや変更がシステム側で禁止されているか(Alarm PS0509の発生原因)を確認しなければなりません。また、境界領域での幾何エラーによるAlarm PS0037やAlarm 61815を回避するため、ミラー指令の呼び出し前には必ずG40による工具径補正(刃先R補正)の解除が完了していなければなりません。
関連コマンド
- g50-1-mirror-image-cancel: プログラマブルミラーイメージをキャンセルし、通常の座標系マッピングを復元するための直接的なGコードです。
- g51-scaling-on-milling: ミリングシステムで座標スケーリングを有効にし、指定した中心の周りに比例倍率を適用します。
- g41-cutter-radius-compensation: 左側工具径補正(刃先R補正)を有効にします。単一軸ミラーリング下では、自動的に右側補正(G42)に反転されます。
G291: SiemensのインタープリタをISOダイアレクトモードに切り替え、G50.1およびG51.1コマンドを解析可能にします。
おわりに
ミラー反転加工における座標ドリフトや物理的干渉を排除するためには、実加工の前にZ軸を安全な高さに退避させた状態での空運転によるチェックを徹底することが最も有効な防衛策です。G51.1によるミラーイメージの開始とキャンセルを必ず同一の対称中心座標で行うというプログラミング規律を徹底することで、送り軸の位置偏差を完全に排除し、対称形状部品のロット間における高い寸法精度と加工プロセスの再現性を保証できます。
よくある質問
G51.1ミラーイメージの実行中に円弧補間(G02/G03)を行うとアラームPS0070やP70が発生するのはなぜですか?
このエラーは、円弧補間の作業平面(例:G17平面のXY軸)のうち片方の軸のみにミラー反転が適用され、もう一方の軸には適用されていない場合に発生します。制御装置はこれを円弧ではなく楕円軌道として検出するため、安全上の制約により演算エラーを発報します。対策として、円弧補間を実行するセクションでは必ずG51.1で平面を構成する両軸(X軸およびY軸)に対して同時に対称指定を行うか、あるいは円弧動作に入る前にG50.1で一旦ミラーを解除してください。
G51.1ミラーリング中に非常停止やリセットが実行された場合、復旧時の座標系はどうなりますか?
非常停止やリセット(M02/M30を含む)を行うと、制御装置のモーダルなミラー状態は強制的に解除され、1:1の通常座標系に自動で戻ります。しかし、プログラムをキャンセル位置(G50.1ブロック)を通さずに中途再開すると、以前のミラー中心オフセットがレジスタ内に残存し、復旧移動時に刃物台がチャック爪やバイスに衝突する危険があります。対策として、非常停止からの復旧時には必ず手動でツールを安全位置まで退避させ、G50.1を実行して座標を完全にリセットしてから、プログラムの安全ブロック(G51.1設定部)より再始動してください。
Fanuc制御でG51.1を使用している際、工具摩耗補正を変更しようとするとアラームPS0509が発生するのを防ぐパラメータ設定は?
これはParameter No. 5002のBit 2(LWT)が1に、またはBit 4(LGT)が0に設定されている場合、工具補正の変更が「座標系のシフト」として処理されるために発生するインターロック動作です。ミラー中の補正変更による座標系の計算崩れを防ぐための保護機能です。対策として、安全に自動運転中の補正変更を許可する場合は、Parameter No. 5002のLWTを0に、LGTを1に設定するか、あるいは摩耗補正の更新を行う際には必ず事前にG50.1でミラーモードを一時キャンセルするようプログラムを構成してください。
まだ解決しませんか?
このトピックについて、AIアシスタントに自然言語で質問できます。検証済みの情報源に基づいており、ハルシネーションはありません。

- CNC CARE Co-Founder (May 2025 - Present)
- Mitsubishi Electric NC Sales & Service Section Manager (2008 - 2025)
- Reis CNC Service Engineer (2003 - 2008)
- Ören Kalıp CNC Mold Line Team Leader (1999 - 2002)
CNC工作機械業界のあらゆる分野で25年以上の経験を持ち、ブランドに依存しないコンサルティング、エンジニアリング、純正部品サービスを提供するCNC CAREの共同創業者として活動を続けています。
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